海外ジャーナルクラブ
12日前

Frigaultらは、 3ライン以上の前治療歴を有する、 または3クラス抵抗性の再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象に、 合成d-domain結合部位をもつBCMA標的自家CAR-T細胞療法anitocabtagene autoleucel (anito-cel) を第Ⅰ相試験で検討。 その結果、 追跡期間中央値38.1ヵ月の時点で投与を受けた38例全例が奏効し、 完全奏効 (CR) 率は79%、 24ヵ月無増悪生存 (PFS) 率は57%であった。 一方、 Grade 3以上の有害事象は37例 (97%) に発現した。 推奨第Ⅱ相用量ではGrade 3以上のサイトカイン放出症候群 (CRS) は認められなかった。 試験結果はNEJM誌に発表された。
単群・小規模研究であるため直接比較ができず、 前臨床データから示唆された遅発性毒性の機序も仮説段階であることが主な限界です。 今後、 第II相iMMagine-1および第III相iMMagine-3での検証が必要です。
anitocabtagene autoleucel (anito-cel) は、 B細胞成熟抗原 (BCMA) を標的とする自家キメラ抗原受容体 (CAR) -T細胞療法であり、 合成d-domain結合部位 (ddBCMA) をもつ。
本第I相試験では、 再発・難治性多発性骨髄腫 (RRMM) に対する安全性および有効性が評価された。
3ライン以上の前治療歴を有する、 または3クラス抵抗性*のRRMM患者を対象に、 anito-celを以下の2用量で投与した。
主要評価項目は治療期間中の有害事象と推奨第2相用量 (RP2D) の決定とした。 補完的なin vitro試験では、 anito-celのddBCMA結合部位と、 シルタカブタゲン オートルユーセル (カービクティ®) の公表配列に相当するdual-VHH結合部位**を比較した。
40例が登録され、 38例がanito-celの投与を受けた。 追跡期間中央値38.1ヵ月の時点で全38例 (100%) が奏効し、 79%がCRに到達した。
24ヵ月PFS率は57%、 PFS中央値は30.2ヵ月であり、 36ヵ月全生存 (OS) 率は65%であった。
治療期間中に全38例で有害事象が発現し、 37例 (97%) はGrade 3以上であった。
RP2D (100×10⁶ CAR+ T細胞) の投与例では94%にGrade 1-2のサイトカイン放出症候群 (CRS) が発現したが、 Grade 3以上は認めなかった。 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) は16%にGrade 1~2が認められ、 Grade 3は1例 (3%) であり、 ICANS以外の神経毒性や遅発性の神経毒性は認めなかった。
in vitro試験では、 ddBCMA結合部位はdual-VHH結合部位より解離速度が速かった。 細胞傷害活性は両者で概ね同様であったが、 ddBCMA CAR-T細胞ではサイトカイン放出が少なく、 抗原非存在下での活性化やオフターゲットの細胞傷害作用は見られなかった。
著者らは、「前治療歴の多いRRMM患者において、 anito-cel療法は高い奏効率を示し、 Grade 3以上のCRSとICANSは稀であった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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