【JAMA】アバタセプト、インフリキシマブ等の追加でコロナ肺炎の回復は短縮せず
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA】アバタセプト、インフリキシマブ等の追加でコロナ肺炎の回復は短縮せず

【JAMA】アバタセプト、インフリキシマブ等の追加でコロナ肺炎の回復は短縮せず
O'Halloranらは、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎の入院患者を対象に、 標準治療にアバタセプト、 cenicriviroc、 インフリキシマブを追加した際の効果を二重盲検プラセボ対照無作為化試験で検討。 その結果、 入院患者におけるCOVID-19肺炎からの回復までの期間は、 これらの3剤とプラセボを比較して有意差はなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。 

📘原著論文

Abatacept, Cenicriviroc, or Infliximab for Treatment of Adults Hospitalized With COVID-19 Pneumonia: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Jul 25;330(4):328-339. PMID: 37428480

👨‍⚕️監修医師のコメント

アバタセプト、インフリキシマブはそれぞれ28日死亡率が11%、10.1%でありプラセボが15%程度であり、 有意差はありませんが注目すべき結果です。 組み合わせ治療なども考慮されます。

🔢関連コンテンツ

オレンシア皮下注 / 点滴静注

アバタセプト

レミケード点滴静注用100

インフリキシマブ

4C mortalityスコア

COVID-19入院患者の予後予測スコア

背景

COVID-19の予後不良因子の一つとして「免疫異常」が知られている。 これらの調節が可能な治療法の開発が求められている。

研究デザイン

対象

SARS-CoV-2感染が確認され、 肺病変が認められた18歳以上の入院患者

介入

標準治療に以下のいずれかを追加した

  • アバタセプト群
10mg/kg、 最大用量1,000mg単回点滴静注
  • インフリキシマブ群
5mg/kg 単回点滴静注
  • cenicriviroc群
300mg負荷投与後、 150mg 1日2回28日間経口投与
  • プラセボ群

主要評価項目

8段階順序尺度を使用して評価された28日目までの回復期間

研究結果

主要評価項目

COVID-19肺炎発症から回復までの期間は、 プラセボと比較し3群に有意差はなかった。

  • アバタセプト群:RRR 1.12
(95%CI、 0.98-1.28、 P=0.09)
  • インフリキシマブ群:RRR 1.12
(95%CI 0.99-1.28、 P=0.08)
  • cenicriviroc群:RRR 1.01
(95%CI 0.86-1.18、 P=0.94)

全死因28日死亡率

死亡率について結果は以下の通りであった。

  • アバタセプト群:11.0% vs プラセボ群:15.1% (OR 0.62、 95%CI 0.41-0.94)
  • cenicriviroc群:13.8% vs プラセボ群:11.9% (OR 1.18、 95%CI 0.72-1.94)
  • インフリキシマブ群:10.1% vs プラセボ群:14.5% (OR 0.59、 95%CI 0.39-0.90)

安全性評価

二次感染を含め、 3つのサブスタディすべてにおいて積極的治療とプラセボ間で同等であった。

結論

入院患者におけるCOVID-19肺炎からの回復までの期間は、 プラセボと比較して、 アバタセプト、 cenicriviroc、 インフリキシマブで有意差はなかった。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【JAMA】アバタセプト、インフリキシマブ等の追加でコロナ肺炎の回復は短縮せず