海外ジャーナルクラブ
3日前

近畿大学泌尿器科分野の藤本西蔵氏らの研究グループは、 全身治療歴のない転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) 患者294例を対象に、 アンドロゲン除去療法 (ADT) + ダロルタミド + ドセタキセルの3剤併用療法とADT + アパルタミドまたはエンザルタミドの2剤併用療法を、 日本の多施設共同データベースを用いた後ろ向きコホート研究で比較した。 その結果、 3剤併用療法は去勢抵抗性前立腺癌フリー生存期間 (CRPC-FS) の延長と関連し、 特にグリソンパターン5 (GP5) 陽性例で顕著であった。 全生存期間には差は認められなかった。 研究結果はProstate誌に発表された。
3剤併用群の追跡期間が2剤併用群より短く、 CRPC-FS、 OS、 PFS2の比較データが未成熟です。
転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) では、 アンドロゲン除去療法 (ADT) にアンドロゲン受容体経路阻害薬 (ARPI) を加える2剤併用療法が標準治療であるが、 予後不良例も存在する。 ADT + ダロルタミド + ドセタキセルによる3剤併用療法も利用可能だが、 2剤併用療法を上回る臨床的価値があるかは明らかでない。
また、 グリソンパターン5 (GP5) は悪性度の高い腫瘍の生物学的特性を反映する。
本研究では、 全身治療歴のないmHSPCで、 3剤併用療法が2剤併用療法と比べて去勢抵抗性前立腺癌フリー生存期間 (CRPC-FS) を延長するかを、 GP5有無別に検討した。
本研究は、 日本の多施設データベースULTRA-Jを用いた後ろ向きコホート研究であり、 2018年2月~2024年10月に以下の治療を受けた全身治療歴のないmHSPC患者を組み入れた。 最終解析コホートは294例であった。
主要評価項目はCRPC-FS、 補助的評価項目は全生存期間 (OS) とした。 第2無増悪生存期間 (PFS2) とCRPC移行後のドセタキセル使用は、 探索的な増悪後アウトカムとして評価した。
追跡期間中央値は2剤併用群18.0ヵ月、 3剤併用群11.0ヵ月であった。
3剤併用群は、 2剤併用群に比べ、 CRPC-FSの延長と関連したが (HR 0.29 [95%CI 0.13-0.64、 p=0.002])、 OSには差は認められなかった。
CRPC-FSについてGP5の有無による有意な交互作用が認められた (交互作用p=0.037)。
GP5陽性例では、 3剤併用群は2剤併用群に比べCRPC-FS延長と関連した (HR 0.16 [95%CI 0.06-0.42、 p<0.001])。
GP5陰性例では、 3剤併用療法の明確な優位性は認められなかった。
著者らは、 「3剤併用療法はアパルタミドまたはエンザルタミドによる2剤併用療法よりもCRPC-FS延長と関連し、 特にGP5陽性例で明確であったが、 3剤併用群の追跡期間の短さやイベント数の少なさから、 仮説生成的な結果と位置付けられる」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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