海外ジャーナルクラブ
11日前

de Avilaらは、 41ヵ国の生検確定の代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (MASLD) 患者を対象に、 非肥満MASLDの組織像・予後と、 高度線維化に対する非侵襲的検査の診断能を、 多国籍後ろ向き観察研究で検討。 その結果、 非肥満例は過体重・肥満例より組織学的病変が軽度である一方、 臨床転帰は同程度であった。 予後には体格より線維化の重症度が関連し、 肝硬度測定 (LSM) は非肥満例でも高い診断能を示した。 研究結果はJAMA誌に発表された。
後ろ向きの肝生検ベース研究であり、 進行線維化や脂肪肝炎が疑われる患者が多く含まれるため、 一般的なMASLD患者、 特に低リスク患者への一般化には限界があります。
MASLDは肥満に伴う疾患と捉えられがちだが、 正常体重で生じる非肥満MASLDの存在に目が向けられつつある。 非肥満例の組織学的重症度や予後が過体重/肥満例とどう異なるか、 線維化を評価する非侵襲的検査が非肥満例でも機能するかを、 本研究は生検確定例の国際コホートで検証した。
Global MASLDプロジェクトに参加した41ヵ国の、 生検でMASLDと確定された成人を対象とする多国籍後ろ向き観察研究である。 体格指数 (BMI) と腹囲により、 非肥満MASLDと過体重/肥満MASLDを定義して比較した。
主要評価項目は全死亡と臨床イベント (肝細胞癌、 肝代償不全、 肝移植、 死亡) とし、 中間アウトカムとして組織学的な線維化の重症度を評価した。 非侵襲的検査として、 Fibrosis-4 (FIB-4) スコアとトランジェントエラストグラフィによるLSMの高度線維化に対する診断能を検討した。
解析対象は18,326例 (平均年齢50.9歳、 男性47.6%) で、 BMI基準の非肥満は6.7%であった。 腹囲が得られた1万2,202例では、 6.0%が非肥満であり、 両基準の一致度はκ=0.41であった。 非肥満MASLDの割合はアジアで最も高かった (BMI基準11.3%、 腹囲基準11.7%)。
過体重/肥満MASLDと比べ、 非肥満MASLDでは2型糖尿病の有病率が低かった (38.2% vs 48.3%、 差-10.2% [95%CI -13.0~-7.4%])。 組織学的にも、 高度線維化の有病率 (29.3% vs 37.2%、 差-7.8% [同 -10.5~-5.2%]) とNAFLD活動性スコア (平均3.96 [SD 1.81] vs 4.41 [SD 1.68]、 差-0.44 [同 -0.56~-0.33]) が低かった。
高度線維化 (F3-F4) に対する曲線下面積 (AUC) は、 FIB-4では非肥満MASLD 0.76 (95%CI 0.73-0.79)、 過体重/肥満MASLD 0.79 (同 0.78-0.80) であり、 点推定値は非肥満MASLDで低かった (差-0.03 [95%CI -0.06-0.00])。
一方、 LSMのAUCは0.87 (95%CI 0.84-0.90) vs 0.83 (同 0.82-0.84) と、 非肥満MASLDで良好だった (差0.04 [95%CI 0.01-0.07])。
100人年当たりの未調整発生率は、 非肥満MASLDと過体重/肥満MASLDで全死亡1.08 vs 0.91、 臨床イベント1.51 vs 1.43であった。 調整後、 非肥満であることは、 全死亡 (調整ハザード比 [aHR] 0.90 [95%CI 0.69-1.16]) および臨床イベント (aHR 0.94 [同 0.76-1.17]) のいずれとも独立した関連を示さなかった。
高度線維化 (F3-F4) を有する例は、 有さない例に比べ、 全死亡 (100人年当たり1.46 vs 0.77, aHR 2.10 [95%CI 1.71-2.57]) および臨床イベント (3.21 vs 0.89, aHR 3.41 [同 2.90-4.03]) のリスクが高かった。
著者らは、 「非肥満MASLDは組織像が比較的軽い一方、 臨床転帰は過体重/肥満MASLDと概ね同様の独自の表現型を示した。 予後には体組成よりも線維化の重症度が関連し、 LSMは非肥満例でも信頼できる」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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