海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Abizaidらは、 PCIを受ける糖尿病患者を対象としたシロリムス溶出ステントAbluminus DES+SESについて、 標的病変再血行再建および標的病変不全を評価項目として、 エベロリムス溶出ステントXIENCE EESに対する非劣性を検討した。 その結果、 Abluminus群はXIENCE群に対する非劣性を示せず、 12ヵ月時点での標的血管心筋梗塞はAbluminus群で5.2%、 XIENCE群で3.1%であり、 Abluminus群で高率であった。 試験結果はLancet誌に発表された。
本試験では術者非盲検、 血管内画像使用の不均一性、 低イベント率、 個別エンドポイントや長期予後に対する検出力不足といったlimitationがあります。
冠動脈疾患患者において糖尿病は、 経皮的冠動脈インターベンション (PCI) 後の再狭窄や有害な心血管イベントのリスクを高める。 Abluminus DES+SES (米Concept Medical社製) は薄型ストラットのコバルトクロム製シロリムス溶出ステントであり、 ステントおよびバルーン表面に薬剤コーティングし血管壁への薬物送達を強化したデバイスである。
本研究では、 PCI を受ける糖尿病患者において、 Abluminus DES+SESとXIENCEの耐久性ポリマー型エベロリムス溶出ステント (XIENCE EES;米Abbott Vascular社製) の有効性および安全性を比較した。
本研究は、 多施設共同前向き非盲検無作為化比較試験 (ABILITY Diabetes Global) である。 患者はAbluminus DES+SES群またはXIENCE EES群に1:1で無作為化された。
主要仮説は、 12ヵ月時点のAbluminus DES+SESの XIENCE EESに対する非劣性であった。 主要評価項目は、 虚血による標的病変再血行再建 (非劣性マージン2.8%) および標的病変不全 (非劣性マージン3.0%) であり、 標的病変不全は心血管死、 標的血管心筋梗塞、 虚血による標的病変再血行再建の複合とした。
生存時間解析はカプランマイヤー推定およびCox比例ハザードモデルを用いて行った。
3,032例がAbluminus群 (1,514例) またはXIENCE群 (1,518例) に無作為化され、 3,032例中2,931例 (96.7%) が死亡または24ヵ月フォローアップまで追跡を完了した。
12ヵ月時点において、 Abluminus群はXIENCE群に対する非劣性を示せず、 いずれの評価項目でも絶対リスク差の95%CIの下限はゼロを下回らなかった。
虚血による標的病変再血行再建
絶対リスク差2.7%
(95%CI 1.3-4.1、 非劣性のp値=0.44)
標的病変不全
絶対リスク差 3.5%
(95%CI 1.5-5.5、 非劣性のp値=0.68)
12ヵ月時点において、 標的血管心筋梗塞はAbluminus群でより高頻度であった (Abluminus群 vs XIENCE群 : 5.2%[95%CI 4.1-6.5] vs 3.1%[95%CI 2.4-4.3])。 一方で、 心血管死および全死亡には両群間で差がなかった。
12~24ヵ月のランドマーク解析では、 両群間に差はなかった。
著者らは、 「Abluminus DES+SESはXIENCE EESに対する非劣性を示せなかった。 本結果は、 糖尿病患者における転帰改善の難しさを再提示するものであり、 虚血リスク低減のためにはステント設計および補助薬物療法に関する継続的な改良が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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