海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Apoloらは、 高リスク筋層浸潤性尿路上皮癌 (MIUC)を対象に、 術後療法としての抗PD-1抗体ペムブロリズマブの有効性について、 第Ⅲ相非盲検無作為化試験AMBASSADORで検討した。 その結果、 ペムブロリズマブの術後投与は経過観察と比較して、 DFSを有意に改善した。 本研究はNEJMにて発表された。
その昔、 「MethodsとDiscussionはほぼ同じ量が目安」 と言われていました。 しかし、 本論文は未来型論文の形で、 Methodsが2ページ以上あり、 DiscussionはLimitationを除くと半ページ程度です。 論文は時代と共に形を変えていきます。
【AMBASSADOR】高リスク筋層浸潤性尿路上皮癌に術後ペムブロリズマブでDFS改善
MIUCは再発率が高い疾患である。 根治手術後の高リスク例で、 術後療法としてのペムブロリズマブの有効性は明らかにされていない。
膀胱全摘除術、 腎摘出術、 腎尿管切除術、 尿管切除術のいずれかを受け、 術後4~16週のMIUC患者702例が、 以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目はITT集団における無病生存期間 (DFS) および全生存期間 (OS)、 副次評価項目には、 有害事象 (AE) の発現率などが設定された。
DFSまたはOSのいずれかにおいて、 ペムブロリズマブ群が経過観察群よりも有意に延長した場合、 本試験は成功と判定された。
ITT集団のDFS中央値は、 ペムブロリズマブ群で29.6ヵ月 (95%CI 20.0-40.7ヵ月)であり、 経過観察群の14.2ヵ月 (同11.0-20.2ヵ月)に比べて有意に延長した (HR 0.73[95%CI 0.59-0.90]、 p=0.003)。
Grade3以上のAE発現率は、 ペムブロリズマブ群が50.7%、 経過観察群が31.6%だった。
Apoloらは 「根治手術後の高リスクMIUCにおいて、 ペムブロリズマブによる術後療法は経過観察と比べ、 患者のDFSを有意に延長した。 新たな安全性シグナルは認められなかった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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