海外ジャーナルクラブ
1年前
Tangらは、 オリゴ転移を有する前立腺癌患者を対象に、 間欠的ホルモン療法に転移指向性療法 (MDT) を追加することによる腫瘍学的転帰の改善効果を第Ⅱ相ランダム化比較試験EXTENDで検討。 その結果、 併用療法による無増悪生存期間 (PFS) およびeugonadal(性腺機能正常) PFSの有意な改善が示された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
one armが40例ほどでしっかりとした有意差を示しているRCTです。 sample sizeのところを見ましたが、 本研究でのPFSの結果がsample size算定のための予測通りになっており、 改めてRCTはsample size算定が重要だと感じます。
ホルモン療法と放射線療法の相乗効果に加え、 ホルモン療法の前倒しによる全生存期間 (OS) の延長を示す証拠があるにもかかわらず、 オリゴ転移を有する前立腺がんに対するホルモン療法にMDTを追加することは、 ランダム化比較試験で評価されていない。
転移が5個以下かつ2カ月以上のホルモン療法を受けた前立腺癌で、18歳以上の男性患者87例。
患者は以下の群に1:1の割合でランダムに割り付けられた。
死亡または放射線学的、 臨床的、 生化学的な進行と定義される病勢進行。
eugonadal PFS
ホルモン療法群 (中央値15.8カ月、 95%CI 13.6-21.2カ月) と比較して、 併用療法群 (中央値未到達) において改善した。
ホルモン療法群 (6.1カ月、 95%CI 3.7カ月-推定不能) と比較して、 併用療法群 (中央値未到達) において改善した。
フローサイトメトリーおよびT細胞受容体シークエンシングにより、 併用療法群に限定してT細胞の活性化、 増殖、 クローン拡大のマーカーが増加することが示された。
オリゴ転移を有する前立腺癌の男性において、 ホルモン治療のみと比較して、 併用療法群においてPFSおよびeugonadal PFSが有意に改善した。 MDTと間欠的ホルモン療法の併用は、 eugonadal テストステロン間隔の延長を容易にしながら、 優れた疾患コントロールを可能にすると考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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