海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Rudin氏らは、 未治療の進展型小細胞肺癌 (ES-SCLC) を対象に、 抗TIGHT抗体tiragolumabとアテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド (CE) 併用療法の効果について国際共同第III相二重盲検プラセボ対照無作為化試験SKYSCRAPER-02で検討した。 その結果、 tiragolumab併用療法はアテゾリズマブ+CEと比較して生存期間を延長させなかった。 本研究はJ Clin Oncolにおいて発表された。
Negative studyとなりましたが大切な研究結果です。 Skyscraper (摩天楼) 研究は斬新なネーミングであり、 独自の存在感を与えてくれます。
未治療ES-SCLCに対する既存の治療法では十分な効果が得られないことから、 新たな治療オプションの開発が求められている。
未治療ES-SCLC
患者を1 : 1の割合で以下のように割り付けた。
脳転移がない症例群 (PAS) におけるOSおよび無増悪生存期間 (PFS)
全症例群 (FAS) におけるPFSおよびOS、 奏効率 (RR) 、 奏効期間 (DOR) 、 安全性
PFSおよびOSは統計学的有意差が認められなかった。
PAS群におけるPFS中央値
HR 1.11、 p=0.3504
PAS群におけるOS中央値
HR 1.14、 p=0.2859
FAS群におけるPFSおよびOSの中央値はPAS群と一致していた。
免疫介在性有害事象
治療中止に至った有害事象
安全性評価
併用療法は忍容性が高く、 新たな安全性シグナルは認められなかった。
未治療ES-SCLCにおいて、 アテゾリズマブ+CEへのtiragolumabの追加はSCLCにおける生存期間を延長させなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。