【J Clin Oncol】抗TIGHT抗体tiragolumabは未治療ES-SCLCの予後を改善せず
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【J Clin Oncol】抗TIGHT抗体tiragolumabは未治療ES-SCLCの予後を改善せず

【J Clin Oncol】抗TIGHT抗体tiragolumabは未治療ES-SCLCの予後を改善せず
Rudin氏らは、 未治療の進展型小細胞肺癌 (ES-SCLC) を対象に、 抗TIGHT抗体tiragolumabとアテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド (CE) 併用療法の効果について国際共同第III相二重盲検プラセボ対照無作為化試験SKYSCRAPER-02で検討した。 その結果、 tiragolumab併用療法はアテゾリズマブ+CEと比較して生存期間を延長させなかった。 本研究はJ Clin Oncolにおいて発表された。 

📘原著論文

SKYSCRAPER-02: Tiragolumab in Combination With Atezolizumab Plus Chemotherapy in Untreated Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer. J Clin Oncol. 2023 Nov 17:JCO2301363. PMID: 37976444

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

Negative studyとなりましたが大切な研究結果です。 Skyscraper (摩天楼) 研究は斬新なネーミングであり、 独自の存在感を与えてくれます。

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【J Clin Oncol】抗TIGHT抗体tiragolumabは未治療ES-SCLCの予後を改善せず

パラプラチン注射液50mg

ベプシド注100mg

テセントリク点滴静注840mg

背景

未治療ES-SCLCに対する既存の治療法では十分な効果が得られないことから、 新たな治療オプションの開発が求められている。

研究デザイン

対象

未治療ES-SCLC

介入

患者を1 : 1の割合で以下のように割り付けた。

  • tiragolumab群 : 243例
tiragolumab600mg+アテゾリズマブ1,200mg+CEを3週ごと4サイクル→tiragolumab+アテゾリズマブを3週ごとに投与
  • プラセボ群 : 247例

主要評価項目

脳転移がない症例群 (PAS) におけるOSおよび無増悪生存期間 (PFS)

副次評価項目

全症例群 (FAS) におけるPFSおよびOS、 奏効率 (RR) 、 奏効期間 (DOR) 、 安全性

研究結果

主要評価項目

PFSおよびOSは統計学的有意差が認められなかった。

PAS群におけるPFS中央値

  • tiragolumab群 : 5.4ヵ月
  • プラセボ群 : 5.6ヵ月
HR 1.11、 p=0.3504

PAS群におけるOS中央値

  • tiragolumab群 : 13.1ヵ月
  • プラセボ群 : 13.1ヵ月
HR 1.14、 p=0.2859

副次評価項目

FAS群におけるPFSおよびOSの中央値はPAS群と一致していた。

免疫介在性有害事象

  • tiragolumab群 : 54.4%
  • プラセボ群 : 49.2%

治療中止に至った有害事象

  • tiragolumab群 : 8.4%
  • プラセボ群 : 9.3%

安全性評価

併用療法は忍容性が高く、 新たな安全性シグナルは認められなかった。

結論

未治療ES-SCLCにおいて、 アテゾリズマブ+CEへのtiragolumabの追加はSCLCにおける生存期間を延長させなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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