【JAMA Oncol】「術前」 の定位放射線手術が切除可能な脳転移に有望
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】「術前」 の定位放射線手術が切除可能な脳転移に有望

【JAMA Oncol】「術前」 の定位放射線手術が切除可能な脳転移に有望
Prabhuらは、 固形癌由来の脳転移 (BM) があり、 少なくとも1病巣において術前の定位放射線手術 (SRS) と計画的切除を実施した患者を対象に、 術前SRSの転帰と予後因子を多施設共同コホート研究で検討。 その結果、 術前SRS後の腔内の局所再発 (LR)、 放射線による有害作用 (ARE)、 髄膜疾患 (MD) の発生率は顕著に低いことが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Risk Factors for Progression and Toxic Effects After Preoperative Stereotactic Radiosurgery for Patients With Resected Brain Metastases. JAMA Oncol. 2023 Jun 8;e231629. PMID: 37289451

👨‍⚕️監修医師のコメント

本試験をもとに今後行われる術前SRSと術後SRSの第Ⅲ相ランダム化臨床試験結果が注目です。


背景

切除可能なBMに対する術前SRSは、 術後SRSに代わる実行可能な選択肢として実証されており、 AREやMDにおいて有益である可能性がある。 しかしながら、 大規模コホートの多施設データが不足している。

研究デザイン

対象

固形癌由来のBMがある患者

介入

  • 中央値 (IQR) で1分割15Gyまたは3分割24Gyの術前SRSを切除の2 (1~4) 日前に照射した。
  • 術前SRSを切除の2日前に照射

主要評価項目

LR、 MD、 ARE、 全生存期間 (OS)、 およびこれらの結果に関連する予後因子の多変量解析

研究結果

LR

  • 2年間腔内LR率:13.7%
  • 全身疾患の状態、 切除範囲、 SRS分画、 手術の種類 (部分切除か一括切除か)、 原発腫瘍の種類は腔内LRリスクと関連していた。

MD

  • 2年MD率:5.8%
  • 切除範囲、 原発腫瘍の種類、 後頭蓋窩の位置がMDリスクと関連していた。

ARE

  • 全グレードの2年ARE率:7.4%
  • 1mmを超えるターゲットマージンの拡大およびメラノーマ原発はAREリスクと関連していた。

OS

  • OS中央値:17.2カ月 (95%CI 14.1-21.3カ月)
  • 全身性疾患の状態、 切除範囲、 原発腫瘍のタイプがOSと関連する最も強い予後因子であった。

結論

術前SRS後の空洞LR、 ARE、 MDの発生率は顕著に低いことが判明した。 また、 術前SRSによる治療後の空洞LR、 ARE、 MD、 およびOSのリスクと関連するいくつかの腫瘍因子および治療因子が同定された。 術前SRSと術後SRSの第Ⅲ相ランダム化臨床試験 (NRG BN012) の登録が開始された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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