インタビュー
1ヶ月前
函館五稜郭病院 (北海道函館市) の研修は、 JCEP (NPO法人卒後臨床研修評価機構) のエクセレント賞を受賞するなど高い評価を受けています。 そのキーとなる 「5つの視点」 について、 中田智明病院長に聞きました。
―― 「5つの視点」 とは
「①豊富な症例②設備③確かな教育体制④仲間⑤街の魅力のことです。 当院は急性期疾患やがん治療を積極的に受け入れ、 近隣地域の医療体制を支えています。 分類上は2次救急ですが、 実際には2.5次救急といえます」
「2023年度は手術数5,500例、 救急車受け入れ3,200台です。 がん診療連携拠点病院として、 2022年度は新規願登録が1,800例以上、 北海道22病院中7位です」
「設備面では、 コロナ禍でもダヴィンチ (DaVinci Xi)、 PET‐CT、 SPECT/CT、 320列CT、 アンギオ装置 (バイプレーン) を次々と更新し、 大学病院クラスの診療が可能です。 常勤医約100人、 初期研修医は計24人 (歯科含む) が在籍し、 医業はもちろんプライベートまで助け合い切磋琢磨できる環境です」
「教育体制は屋根瓦式による指導、 カスタマイズ式の勉強会が特徴です。 士気の高いコメディカルスタッフのフォローも手厚く、 病院全体で研修医を育て上げる風土が根づいています」
「指導医やコメディカルからの座学・ハンズオン形式のモーニングレクチャーも人気なほか、 ドクターヘリOJT研修や海外病院視察研修 (2年目の1~2月に米国西海岸に1週間) などもあります」
「最後は魅力にあふれた函館という街そのものです。 食事は美味しく歴史的な観光地も多い、 研修医生活の2年間を過ごすには申し分ない環境です」
――研修医の指導で気をつけている点は
「教える側の上級医が若手に選んでもらえる存在になること。 つまり自己研鑽と振り返りを教える側も繰り返すことです。 選んでもらえない組織に成長はありません」
「何かを教える場合、 教える内容の10倍近くの知識が必要です。 指導を通して上級医側も教わることも多いです」
――病院の雰囲気や福利厚生は
「福利厚生では、 病院から徒歩圏内にレジデントハウスが3棟あります。 リビングも寝室もゆとりを持った間取りです。 家賃と修繕費が病院負担で、 研修医は水道・光熱費のみ (駐車場の使用があれば別途必要) の支払いです」
「メンター制度があり、 若手の先輩に実務以外のことでも気軽に相談できる環境を整えています。 メンターに指定されていなくても相談に乗る上級医も多く、 いい関係性と距離感を築けると思います」
――医学生にメッセージを
「年間約100人の医学生が見学に来ますが、 『狭い日本に閉じこもることなく、 研修医の2年間で実力を身につけ、 世界に羽ばたいてほしい』とエールを送っています」
「北海道は圧倒的に医師数が足りていません。 当院は道南地域の医療体制を支える拠点の一つで、 入職すれば多種多様な症例を経験できます。 北海道外、 海外に飛び立てるだけの経験を積める環境が整っています。 あとは皆さんが動きだすだけです」
▶函館五稜郭病院ホームページ
▶同病院 初期臨床研修の採用サイト
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。