海外ジャーナルクラブ
2年前
ペンシルベニア大学のVorugantiらは、 進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の使用と生存率の経時的変化を、 コホート研究で全年齢層別に評価した。 その結果、 NSCLC 患者におけるICIの使用は全年齢で急速に増えているものの、 生存率の増加は特に高齢患者においては緩やかであった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
リアルワールドデータでは、 75歳以上に対する進行非小細胞肺癌への免疫チェックポイント阻害薬投与による生存期間の延長は約1ヶ月間であり、 今後さらなる研究結果をもとに制限される方向にいくと思われます。
ICIの導入により、 NSCLCの治療は大きく変化した。 臨床試験では生存率の大幅な向上が示唆されているが、 臨床現場での転帰がどのように変化したかは不明である。
ステージⅢB、 ⅢC、 またはⅣのNSCLCを有する18歳以上の患者を対象に、全生存期間 (OS) 中央値、 2年生存の予測確率を評価した。
FDAによるNSCLCに対するICIの最初の承認後、 ICIの使用は2015年の4.7%から2019年の45.6%に増加した (P<0.001)。
2019年のICIの使用率は、 55歳未満の患者と75歳以上の患者で同様であった (P=0.59)。
・55歳未満:45.2%
・75歳以上:43.8%
・55歳未満:37.7%→50.3%↑
・75歳以上:30.6%→36.2%↑
・55歳未満:11.5カ月→16.0カ月↑
・75歳以上:9.1カ月→10.2カ月↑
進行性NSCLC患者におけるICIの使用は、 FDAでの初承認後、 全年齢層で急速に増えていることがわかった。 しかし、 それに対応する生存率の向上は、 特に高齢の患者において緩やかであった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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