海外ジャーナルクラブ
8日前

Morrisらは、 鎌状赤血球症 (SCD) の急性疼痛発作で救急外来を受診した3~21歳の小児および若年成人を対象に、 アルギニン静脈内投与の有効性と安全性を第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験STArTで検討した。 その結果、 プラセボ群と比べて、 アルギニン群では主要評価項目の疼痛発作消失までの時間の短縮は示されず、 試験は無益性のため早期中止となった。 非経口オピオイド総使用量、 疼痛スコア、 患者報告アウトカム、 安全性イベントについても両群の間に有意差は認められなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
SCDの疼痛機序は多因子的であり、 参加者の41%、 12歳未満でも約3分の1が慢性疼痛を有していたため、 疼痛経過や治療反応の違いが疼痛関連アウトカムの評価に影響した可能性があります。
急性疼痛発作はSCD患者の救急外来受診と入院の最大の原因であるが、 SCDの急性疼痛発作に対する米国食品医薬品局 (FDA) の承認薬は存在しない。
急性疼痛発作時の患者には急性のアルギニン欠乏が生じ、 このことは疼痛発作消失までの時間の延長と非経口オピオイド総使用量の増加に関連することが報告されている。 また、 複数の単施設第Ⅱ相無作為化比較試験において、 アルギニンは安全であり、 オピオイドの使用量の削減や心肺機能の改善、 在院日数の短縮をもたらすことが示されていた。 そこで本試験ではSCDの急性疼痛発作に対するアルギニンの静脈内投与の有効性と安全性を評価した。
本試験は、 2021年6月21日~2024年6月13日に米国の小児病院10施設で実施された前向き第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験である。 対象は非経口オピオイドを要するSCDの急性疼痛発作で救急外来を受診した3~21歳の患者で、 274例が無作為化され271例が試験薬の投与を受けた*。
患者は以下の2群に無作為化された。
主要評価項目は疼痛発作消失までの時間**とした。 副次評価項目は非経口オピオイド総使用量、 疼痛スコア、 患者報告アウトカムである。
無作為化された274例のうち271例が試験薬の投与を受けた。 平均年齢は14.3歳 (SD 4.3歳)で、 51%が男性、 92%が黒人だった。
疼痛発作消失までの時間の中央値はアルギニン群で60.8時間 (IQR 34.8-109.0時間)、 プラセボ群で65.8時間 (IQR 31.1-111.1時間) で同程度であり、 絶対差は7.2時間 (95%CI -21.6~35.9時間) で短縮は示されなかった。 なお、 本試験は無益性のため早期中止となった。
非経口オピオイド総使用量、 疼痛スコア、 患者報告アウトカム、 安全性のいずれについてもアルギニン群とプラセボ群に有意差は認められなかった。
著者らは、 「アルギニン療法は、 SCDの急性疼痛発作を有する小児および若年成人において、 プラセボと比べて疼痛発作消失までの時間を短縮しなかった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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