寄稿ライター
2ヶ月前
もうすぐ確定申告ですね。 緊急連載 「医師による医師のための確定申告2025」 の第2回では、 「定額減税」 に関連する注意点を解説します。
2025年の確定申告では、 所得税に係る 「定額減税」 が実施されます。 対象者は所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下の人 (給与収入のみの場合は2,000万円以下) で、 本人および同一生計配偶者、 扶養親族1人につき3万円が所得税から減税されます。
所得税法での扶養家族は16歳以上ですが、 定額減税では16歳未満の年少扶養も対象になります。 この変更に伴い、 2025年限定で確定申告の第1表に㊹という項目が追加されました【表1】。
レアケースだと思いますが、 確定申告の書類を手書きで作成する場合、 「㊹」 の項目を正しく記入しないと定額減税が適用されません。 年末調整で定額減税を受け、 源泉徴収票に記載があったとしても、 確定申告で改めて入力しないとリセットされる点にご注意下さい。
国税庁の 「確定申告書等作成コーナー」 で入力する場合、 【表2】の 「控除の入力」 の項目で、 「配偶者控除」 と 「扶養控除」 を入力すれば自動的に定額減税が計算されることになっています。
本来は控除対象にならないケース (収入が103万円以上の配偶者、 16歳未満の子供など) でも定額減税の対象にはなります。 今年はきっちり入力しましょう。
注意したいのは、 年末調整の際と定額減税の人数が異なる場合です。 例えば配偶者の給与収入が103万円以上になると思っていたら、 103万円以下となって扶養に入ることになったケースなどが考えられます。
医師の多くはアルバイト先があり、 源泉徴収票が2枚以上あると思います。 源泉徴収票が1枚しかなく扶養家族を変更する場合には、 【表3】の入力画面で 「変更する」 を選択しておかないと、 後々エラーになって入力しなおしになる可能性があります。
定額減税が適用されているかどうかは、 最終的に確定申告をPDFに出力した際に㊹の項目に記載があるかどうかで確認することができます。 不安な場合はチェックしてください。
所得税などの税金の納付方法は、 納付書を用いる以外に【表4】のような方法があります。 特にこだわりがない場合、 振替納税を一度設定すれば手間なく納付忘れも防止できます。 不動産節税などで還付金がある場合も自動で振り込まれますので便利です。
一方、 税金でとられる分を少しでも取り戻したい人は、 クレカ納付などでポイントを獲得していた方もいるでしょう。 2025年より急に改悪されますので、 この点も触れておきましょう。
【表5】のように手数料額が10000円ごとに変更となるため正確ではありませんが、 概ね手数料が0.83→0.99%に上昇しました。 高還元率のカードを利用する場合でなければ、 手数料負けする可能性があります。
クレカによっては納税のポイントがつかなかったり、 上限が設定されたりしているので、 お手持ちのカードがどうなのかは確認してみて下さい。
PayPayやAmazon Payを使った納付は手数料が無料というメリットがありますが、 1回の納税額が30万円までという制限があります。 これまでは複数回に分けて納税できましたが、 2025年2月からはこの方法が禁止されるため、 高額納税者には改悪となります。
いかがでしたでしょうか。 確定申告の制度変更や納税方法の改定は、 見逃すと負担が増える可能性があります。 特に今年は定額減税が実施されるため、 例年よりも細かい確認が必要です。
*¹⁾ 令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き
*²⁾ 確定申告書等作成コーナー
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。