【Lancet Haematol】高リスクMDS /CMMLに対する新カプセル化製剤CPX-351が奏効
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1年前

【Lancet Haematol】高リスクMDS /CMMLに対する新カプセル化製剤CPX-351が奏効

【Lancet Haematol】高リスクMDS /CMMLに対する新カプセル化製剤CPX-351が奏効
Peterlinらは、 高リスク骨髄異形成症候群 (MDS) および慢性骨髄単球性白血病 (CMML) 患者を対象に、 シタラビンとダウノルビシンをカプセル化したCPX-351の安全性と有効性を第Ⅱ相臨床試験で検討。 その結果、 CPX-351は有効かつ安全であり、 多くの患者において同種造血幹細胞移植 (HSCT) への橋渡しが可能であることが明らかとなった。 本研究はLancet Haematol誌において発表された。

📘原著論文

CPX-351 in higher risk myelodysplastic syndrome and chronic myelomonocytic leukaemia: a multicentre, single-arm, phase 2 study. Lancet Haematol. 2023 Jul;10(7):e521-e529. PMID: 37245522

👨‍⚕️監修医師のコメント

Single arm研究で、 短期間、 N数少ないというのが本研究のlimitationですのでP3のRCTを期待します。

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背景

CPX-351は、 二次性急性骨髄性白血病において、 古典的な3+7療法よりも高い有効性を示した。

研究デザイン

対象

  • コホートA:新たに高リスクのMDSまたはCMMLと診断され、 ECOG PS 0~1の18~70歳の患者
  • コホートB:低メチル化剤無効の患者
組み入れ基準を満たす患者が十分でなく中止。 本稿での言及はなし

介入

  • CPX-351を1日目、 3日目、 5日目に静脈内投与し、 奏効しない場合は2回目の導入サイクルを行った。
  • 奏効した患者には、 最大4回の地固め療法またはHSCTを行った。

主要評価項目

導入療法後の全奏効率

研究結果

導入療法後の全奏効率

  • 全奏効率:87% (31例中27例)
95%CI 70-96%

地固め療法の実施

52% (31例中16例) の患者が少なくとも1サイクルの地固め療法を受けた。

HSCTの実施

97% (31例中30例) の患者がHSCTの適応とされ、 94% (31例中29例) がHSCTを受けた。

安全性評価

最も発現が多かったグレード3~4の有害事象

  • 肺 (26%、 31例中8例) および心血管系 (19%、 31例中6例) であった。

重篤な有害事象

  • 重篤な有害事象は14件 (感染症による入院は5例、 治療関連は1例のみ) で確認された。

治療関連死

  • 治療関連死はなかった。

結果の解釈

CPX-351は高リスクのMDSおよびCMMLにおいて有効かつ安全であり、 ほとんどの患者においてHSCTへの橋渡しが可能であると思われる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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