【CLEAR試験】腎細胞癌に対する ペムブロリズマブ+レンバチニブ
著者

HOKUTO編集部

1年前

【CLEAR試験】腎細胞癌に対する ペムブロリズマブ+レンバチニブ

【CLEAR試験】腎細胞癌に対する ペムブロリズマブ+レンバチニブ
未治療の根治切除不能又は転移性腎細胞癌患者おいて、 レンバチニブとペムブロリズマブの併用投与とレンバチニブとエベロリムスの併用投与を、 スニチニブ単剤投与を対照に検証した第Ⅲ相試験比較試験CLEARの結果より、 無増悪生存期間 (PFS) 及び全生存期間 (OS) に対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用投与の有益性が示された。

原著論文

▼中間解析結果

Lenvatinib plus Pembrolizumab or Everolimus for Advanced Renal Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2021 Apr 8;384(14):1289-1300. PMID: 33616314

▼追跡結果

Lenvatinib plus Pembrolizumab or Everolimus for Advanced Renal Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2021 Apr 8;384(14):1289-1300. PMID: 33616314

関連レジメン

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CLEAR試験の概要

対象

未治療の根治切除不能または転移性腎細胞癌

方法

1,069例を以下の3群に1:1:1で割り付けた。

  • PEM+LEN群 (355例)
ペムブロリズマブ200mgを3週毎投与+レンバチニブ20mgを1日1回投与
  • LEN+EVE群 (357例)
レンバチニブ18mgを1日1回投与+エベロリムス5mgを1日1回投与
  • スニチニブ群 (357例)
スニチニブ50㎎を1日1回4週間経口投与後、 2週間休薬

評価項目

  • 主要評価項目:無増悪生存期間 (PFS)
  • 副次評価項目:全生存期間 (OS)、 全奏効率 (ORR)、 安全性

CLEAR試験の結果

患者背景

両群間で同様であった。

PFS中央値 (95%CI)

  • PEM+LEN群 :23.9ヵ月 (20.8-27.7ヵ月)
HR 0.39 (0.32-0.49)、 P<0.001 (スニチニブ群に対して)
  • LEN+EVE群:14.7ヵ月 (11.1-16.7ヵ月)
HR 0.65 (0.53-0.80)、 P<0.001 (スニチニブ群に対して)
  • スニチニブ群:9.2ヵ月 (6.0-11.0ヵ月)

  追加報告のPFS中央値

  • PEM + LEN群 :23.3ヵ月 (20.8-27.7ヵ月)
  • スニチニブ群:9.2ヵ月 (6.0-11.0ヵ月)
HR 0.42 (95%CI 0.34-0.52)

OS中央値 (95%CI)

初回報告時、 両群いずれも未到達だった。

  • PEM+LEN群 vs スニチニブ群 
HR 0.66 (0.49-0.88)、 P=0.005
  • LEN+EVE群 vs スニチニブ群 
HR 1.15 (0.88-1.50)、 P=0.30

  追加報告のOS中央値

  • PEM+LEN群:未到達 (41.5ヵ月-推定不能)
  • スニチニブ群:未到達 (38.4ヵ月-推定不能)
HR 0.72 (95%CI 0.55-0.93)

OS率 [1年時、 1.5年時、 2年時、 3年時]

  • PEM+LEN群:91.4、 86.9、 80.2、 65.5%
  • LEN+EVE群:66.1% *2年時のみ
  • スニチニブ群:80.2、 73.8、 69.7、 61.8%

ORR (95%CI)、完全奏効率

  • PEM+LEN群:71.0% (66.3-75.7%)、16.1%
  • LEN+EVE群:53.5% (48.3-58.7%)、9.8%
  • スニチニブ群:36.1% (31.2-41.1%)、4.2%

  奏効期間中央値(95%CI)

  • PEM+LEN群:25.8ヵ月 (22.1-27.9ヵ月)
  • LEN+EVE群:16.6ヵ月 (14.6-20.6ヵ月)
  • スニチニブ群 14.6ヵ月:(9.4-16.7ヵ月)

有害事象

治療関連AE (グレード3以上) の発現率

  • PEM+LEN群:82.4%
  • LEN+EVE群:83.1%
  • スニチニブ群:71.8%

著者らの結論

未治療の根治切除不能または転移性腎細胞癌患者の一次治療において、 レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法は、 無増悪生存期間および全生存期間に関して、 スニチニブよりも有意に大きな利益をもたらすことが示された。 レンバチニブとエベロリムスの併用療法はスニチニブ単剤と比較し、 PFSは有意に長かったが、 OSに対する有益性は認めなかった。 上記より、 免疫チェックポイント阻害薬とキナーゼ阻害薬の併用療法が重要であることが示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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