海外ジャーナルクラブ
11日前
Pillaらは、 2型糖尿病と高血圧を併せ持つ患者を対象に、 血圧に対する食事パターンとナトリウム制限の効果をクロスオーバー無作為化比較試験DASH4Dで検討した。 その結果、 ナトリウム摂取量を制限したDASH食 (DASH4D) で収縮期血圧が有意に低下したことが明らかになった。 試験結果はJAMA Intern Med誌に発表された。
低ナトリウム食は1日あたりNa 1.5gであり、 食塩換算で3.8gです。 日本人には非常に厳しい食塩制限といえます。 高ナトリウム食は食塩換算で9.4gです。
2型糖尿病と高血圧を合併した患者は心血管イベントのリスクが高く、 血圧管理が重要である。 これまで減量以外の食事介入による血圧への影響を検討した試験は少なく、 この試験では糖尿病患者向けに最適化した高血圧予防食事療法 (DASH食) とナトリウム (Na) 摂取量制限の有効性を検討した。
2021年6月-2024年6月に実施されたDASH4D試験の対象は、 2型糖尿病に罹患し、 収縮期血圧120-159mmHg、 拡張期血圧<100mmHgの患者であった。 患者はすべての食事を提供され、 体重は試験期間を通して一定に維持された。 患者は、 以下の4種類の食事を、 無作為に決められた順序で各5週間ずつ摂取するよう割り付けられた。 DASH4D食は、 2型糖尿病患者向けに最適化したたDASH食であり、 炭水化物が少なく、 不飽和脂肪酸が多く、 カリウムが少なく設定されている。
主要評価項目は、 各食事期間終了時の収縮期血圧であり、 副次評価項目は拡張期血圧であった。
85/102例 (83.3%) が全食事期間を完了した。 平均年齢66 (SD 8.8) 歳、 66%が女性、 87%黒人、 66%が降圧薬を2剤以上使用中で、 ベースライン血圧の平均は135 (SD 9) / 75 (SD 9) mmHgであった。 低NaDASH4D食は、 高Na比較食と比べ、 収縮期血圧を4.6 mmHg (95%CI 7.2-2.0mmHg、 p<0.001) 低下、 拡張期血圧を2.3 mmHg (95%CI 3.7-0.9 mmHg) 低下させた。 血圧低下は主に介入開始から3週間以内に観察され、 食事内容よりもNa制限の影響が強くみられた。 いずれの食事でも有害事象はまれであった。
著者らは 「2型糖尿病の成人 (大多数が複数の降圧薬を服用) で、 DASH4D食事療法とNa制限を組み合わせた場合、 主にNa制限により臨床的に意義のある血圧低下効果が得られたことが示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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