海外ジャーナルクラブ
14日前

国立循環器病研究センターの片岡氏らの研究グループは、 冠動脈疾患 (CAD) 患者におけるより低値のLDL-C値達成が心血管イベント再発を抑制するかどうかを観察研究で検証した。 その結果、 PCI後2ヵ月時点にLDL-C 1.0mmol/L (40mg/dL) 未満を達成した患者では、 主要評価項目 (心臓死、 非致死的心筋梗塞、 非責任病変に対する冠血行再建) および副次評価項目 (心臓死、 非致死的心筋梗塞) のリスクが有意に低下した (HR 0.23、 HR 0.31)。 なお、 その効果は年齢・性別・CADタイプ・従来リスク因子にかかわらず一貫していた。 試験結果はAtherosclerosis誌に発表された。
日本ではスタチンの承認最大用量が欧米より低く、 高用量スタチン使用率も低かったため、 より強力な脂質低下治療を行った場合の効果は不明です。
欧州心臓病学会 (ESC) ガイドラインでは、 超高リスク患者にLDL-C 1.0mmol/L (40mg/dL) 未満の管理が推奨されている。 近年の臨床試験では冠動脈疾患 (CAD) を含む高リスク患者でも、 より低値のLDL-C値達成でさらなる心血管イベント抑制が示されており、 ガイドラインの推奨よりも低い1.0mmol/L未満を目標とする厳格管理が有益な可能性がある。
本多施設共同観察研究では、 PCIを受けたCAD患者2,560例を対象とし3年にわたり追跡した。
PCI後2ヵ月時点のLDL-C値を基に、 患者を1.0mmol/L未満、 1.0~1.3mmol/L、 1.4mmol/L以上に層別化し、 主要評価項目 (心臓死、 非致死的心筋梗塞、 非責任病変に対する臨床的適応に基づく冠血行再建) および副次評価項目 (心臓死、 非致死的心筋梗塞) を比較した。
LDL-C 40mg/dL未満を達成したのは、 2,560例中251例 (9.8%) であり、 LDL-C 40mg/dL未満達成患者では強力な脂質低下療法が多く用いられていた。
超高リスク患者のLDL-C 40mg/dL未満達成割合
LDL-C 40mg/dL未満達成患者での脂質低下療法
LDL-C 40mg/dL未満の達成により、 主要評価項目および副次評価項目のリスクは有意に低下し、 その効果は年齢・性別・CADタイプ・従来リスク因子にかかわらず一貫していた。
LDL-C 40mg/dL未満達成による効果
(95%CI 0.11-0.48、 p<0.001)
(95%CI 0.11-0.84、 p=0.022)
著者らは、 「LDL-C 40mg/dL未満の達成は、 CAD患者の動脈硬化性心血管イベントリスクを低減させた。 CAD患者において脂質低下療法強化をさらに推進するための取り組みが必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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