ソラフェニブ治療歴のある進行肝細胞癌患者において、 カボザンチニブの効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験CELESTIALの結果より、 全生存期間 (OS) と無増悪生存期間 (PFS) における有効性が示された。
原著論文
▼解析結果
Cabozantinib in Patients with Advanced and Progressing Hepatocellular Carcinoma. N Engl J Med. 2018 Jul 5;379(1):54-63. PMID: 29972759
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CELESTIAL試験の概要
対象
- ソラフェニブ治療歴のある進行肝細胞癌患者
- Child-PughスコアはA。 少なくとも1回の全身療法後に病勢進行しており、 進行肝細胞癌に対して受けた全身療法は2回までとする。
方法
707例を以下の2群に2:1で割り付けた。
カボザンチニブ60mgを1日1回経口投与
プラセボを1日1回経口投与
評価項目
主要評価項目:OS
副次評価項目:PFS、 奏効率 (ORR) 、 安全性
CELESTIAL試験の結果
患者背景
- 両群で同様であった。
- 年齢中央値は64歳、 男性は81~85%、 アジア人は25%
- 投与期間中央値はカボザンチニブ群3.8ヵ月、 プラセボ群2.0ヵ月であった。
- 投与量の減量はカボザンチニブ群62%、 プラセボ群13%で認められた。
OS中央値
(95%CI 9.1-12.0ヵ月)
(95%CI 6.8-9.4ヵ月)
HR 0.76 (95%CI 0.63-0.92)、 p=0.005
OS率 (6ヵ月時、 12ヵ月時、 18ヵ月時、 24ヵ月時)
- カボザンチニブ群:72%、 46%、 32%、 18%
- プラセボ群:61%、 34%、 18%、 13%
PFS中央値
(95%CI 4.0-5.5ヵ月)
(95%CI 1.9-1.9ヵ月)
HR 0.44 (95%CI 0.36-0.52)、 p<0.001
ORR
(95%CI 2-6%)
(95%CI 0-2%)
p=0.009
有害事象 (AE)
治療関連AE (Grade3、 4) の発現率
著者らの結論
- ソラフェニブ治療歴のある進行肝細胞癌患者において、 カボザンチニブ投与はプラセボ投与と比較し、 OSおよびPFSを有意に延長させることが示された。
- カボザンチニブ群における高グレードの有害事象の発現率は、 プラセボ群の約2倍であった。