海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Luらは、 発症72時間以内の脳梗塞患者を対象に、 ミノサイクリン投与による機能予後改善についての有効性および安全性を検証した。 その結果、 90日後mRSスコア0–1達成率は、 ミノサイクリン群で52.6%、 プラセボ群で47.4%、 調整RR 11.11 (95%CI 1.03–1.20、 p=0.0061) であり、 ミノサイクリンが有意に機能予後を改善することが示された。 安全性評価項目に有意差は認められなかった。 試験結果はLancet誌に発表された。
EMPHASIS試験は中国のみで実施され、 すべての参加者が中国人であり、 かつ登録年齢の上限を80歳に設定したため、 本結果は非アジア人集団や80歳を超える患者には適用できない可能性があります。
多標的神経抗炎症薬であるミノサイクリンは、 前臨床モデルや小規模臨床研究において、 脳梗塞への有益性が報告されている。
EMPHASIS試験は、 脳梗塞患者におけるミノサイクリンの有効性および安全性についてのエビデンス確立を目的とし実施された。
本試験は、 中国で実施の多施設共同二重盲検無作為化比較試験である。 発症72時間以内の脳梗塞患者で、 NIHSSスコアが4~25かつ意識レベルスコア (NIHSSサブスケール1a) が1以下の患者を対象とし、 ミノサイクリン群またはプラセボ群に1:1で無作為化された。 ミノサイクリンは初回200mgの負荷投与後、 4日間12時間毎に100mgを投与した。
主要評価項目は、 90日後の良好な機能予後 (修正ランキン尺度 [mRS] スコア0–1) とし、 1回以上試験薬を投与された患者を解析対象とした。 安全性評価は、 試験薬投与と安全性評価を1回以上受けた参加者を対象に、 24時間と6日時点での症候性頭蓋内出血などを評価した。
1,724例が無作為化された (ミノサイクリン群 : 862例、 プラセボ群 : 862例)。 ベースライン時のNIHSSスコア中央値は5 (IQR 4–7) であった。
ミノサイクリン群では、 プラセボ群に比して90日後に高いmRSスコア0–1達成率を達成し、 機能予後を有意に改善した。 なお、 mRS全スコアを用いた順序解析でも、 ミノサイクリン群が有意に良好であった (調整共通OR 1.19[95%CI 1.03–1.38、 p=0.018])。
90日後mRSスコア0–1達成率
調整RR 11.11
(95%CI 1.03–1.20、 p=0.0061)
症候性頭蓋内出血の発生率は、 24時間時点 (ミノサイクリン群vsプラセボ群 : 0.1% vs 0%) および6日時点 (0.3% vs 0%) において、 両群で同程度であった。 その他の安全性評価項目にも有意差は認められなかった (4.6% vs 5.9%、 p=0.24)。
著者らは、 「脳梗塞発症72時間以内のミノサイクリン治療は、 プラセボと比較して90日後の機能予後を有意に改善し、 安全性上の懸念は認められなかった。 今後は、 より重症または軽症患者での有効性についても検証する必要がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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