【J Clin Oncol】ピロリ陽性は大腸癌発症・死亡率の増加とわずかに関連
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【J Clin Oncol】ピロリ陽性は大腸癌発症・死亡率の増加とわずかに関連

【J Clin Oncol】ピロリ陽性は大腸癌発症・死亡率の増加とわずかに関連
Shahらは、 Helicobacter pylori (H. pylori) 感染とその除菌治療が大腸癌の発症率や死亡率に及ぼす影響を後ろ向きコホート解析で検討した。 その結果、 H. pylori陽性はわずかではあるが、 大腸癌発症と死亡率の増加に統計的に有意な関連が示された。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Impact of Helicobacter pylori Infection and Treatment on Colorectal Cancer in a Large, Nationwide Cohort. J Clin Oncol. 2024 Mar 1:JCO2300703. PMID: 38427927

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

わずかな差をどう解釈したら良いのか、 その場合には原文をたどるのが良いです。 H. pylori positivity may be associated with small but statistically significant higher CRC incidence and mortality.今後に注目といったところです。


後ろ向きコホート解析で検討

対象

1999~2018年にH. pylori検査を受けた米国の退役軍人

主要評価項目

大腸癌の発症率と死亡率

H. pylori感染はリスク増加と関連

解析対象

  • H. pylori検査を受けた参加者:81万2,736例
  • H. pylori陽性:25.2% (20万5,178例)

H. pylori感染の有無による差

H. pylori陽性群は陰性群と比べて、大腸癌発症リスクは18% (調整ハザード比 (aHR) 1.18、 95%CI 1.12-1.24)、 死亡リスクは12% (aHR 1.12、 同1.03-1.21) 高かった。

治療の有無による差

H. pylori感染の未治療群は治療群に比べ、 大腸癌発症リスクが23% (aHR 1.23、 95%CI 1.13-1.34)、 死亡リスクが40% (aHR 1.40、 95%CI 1.24-1.58] ) 高かった。

血清学的検査未受診群の解析

この結果は、 血清学的検査を受けていない群を対象にした解析においてより顕著であった。

未治療・活動性感染は高リスクか

著者らは、 「H. pylori陽性は、 わずかではあるが大腸癌の発症率および死亡率の増加と有意に関連する可能性がある。 未治療の人、 特に活動性感染が検出された者が最もリスクが高いようである」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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