海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Shahらは、 Helicobacter pylori (H. pylori) 感染とその除菌治療が大腸癌の発症率や死亡率に及ぼす影響を後ろ向きコホート解析で検討した。 その結果、 H. pylori陽性はわずかではあるが、 大腸癌発症と死亡率の増加に統計的に有意な関連が示された。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
わずかな差をどう解釈したら良いのか、 その場合には原文をたどるのが良いです。 H. pylori positivity may be associated with small but statistically significant higher CRC incidence and mortality.今後に注目といったところです。
1999~2018年にH. pylori検査を受けた米国の退役軍人
大腸癌の発症率と死亡率
H. pylori陽性群は陰性群と比べて、大腸癌発症リスクは18% (調整ハザード比 (aHR) 1.18、 95%CI 1.12-1.24)、 死亡リスクは12% (aHR 1.12、 同1.03-1.21) 高かった。
H. pylori感染の未治療群は治療群に比べ、 大腸癌発症リスクが23% (aHR 1.23、 95%CI 1.13-1.34)、 死亡リスクが40% (aHR 1.40、 95%CI 1.24-1.58] ) 高かった。
この結果は、 血清学的検査を受けていない群を対象にした解析においてより顕著であった。
著者らは、 「H. pylori陽性は、 わずかではあるが大腸癌の発症率および死亡率の増加と有意に関連する可能性がある。 未治療の人、 特に活動性感染が検出された者が最もリスクが高いようである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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