海外ジャーナルクラブ
2年前
Beleteらは、 UK Biobankの登録データを基に、 抗てんかん薬 (AED) の使用がパーキンソン病 (PD) の発症に及ぼす影響をコホート内症例対照研究で検討。 その結果、 処方箋の発行数が多いほど、 また複数のAEDを使用しているほど、 PDのリスクが高いという傾向がみられた。 本研究は、 JAMA Neurol誌において発表された。
Association Between Antiepileptic Drugs and Incident Parkinson Disease in the UK Biobank. JAMA Neurol. 2022 Dec 27. doi: 10.1001/jamaneurol.2022.4699. PMID: 36574240
てんかん患者は非てんかん患者よりも単純に入院しやすい→パーキンソン病の診断を受ける機会が多い、 というlimitationはありそうですが、 AEDとPDの関連は仮説としては大変興味深く、 治療に発展する研究成果が期待されます。
近年の研究により、 てんかんとパーキンソン病 (PD) の関連性が注目されているが、 抗てんかん薬 (AED) の役割については、 これまで検討されていない。
UK Biobank (UKB) からデータを抽出。
プライマリ・ケアの処方データがリンクされている個人を対象。
Hospital Episode Statistics (HES) によりPDと診断された個人と定義。
年齢、 性別、 人種、 民族、 社会経済的地位について6:1でマッチ。
AED (カルバマゼピン、 ラモトリギン、 レベチラセタム、 バルプロ酸ナトリウム) への曝露は、 プライマリ・ケアからルーチンに収集される処方データを用いて定義。
HESコード化されたPDの最初の診断日以前にAEDを処方された人について、 調整ロジスティック回帰モデルを用いてオッズ比および95%CIを算出。
PD患者群:1,433名 対照群:8,598名
AEDの処方とPDの発症との間には関連が認められた。
処方箋の発行数が多いほど、 また複数のAEDを使用しているほど、 PDのリスクが高いという傾向がみられた。
AEDを処方された人のPDリスクを系統的に調べた初めての研究であり、 AEDとPD発症との関連を示す根拠が見出された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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