海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

東北大学大学院乳腺・内分泌外科学分野の原田成美氏らの研究グループは、 40~49歳の無症状女性を対象に、 マンモグラフィへの超音波検査併用が進行乳癌 (StageⅡ以上) の累積罹患率に及ぼす長期的影響を国内大規模無作為化比較試験J-STARTの事前に規定された二次解析で評価した。 その結果、 超音波検査の併用により、 進行乳癌累積罹患率の有意な低下が認められ、 乳癌発見率の向上に留まらず、 進行乳癌の減少につながる可能性が示唆された。 本研究はLancet誌において発表された。
J-START試験は2011年St.Gallenコンセンサス以前に計画されており、 病理記録に一貫した分子サブタイプ情報が存在しないことをlimitationに挙げています。
高濃度乳腺女性の検診、 マンモグラフィと併用すべき画像検査は?
J-START試験の主解析では、 従来のマンモグラフィ単独と比べてマンモグラフィ+超音波検査併用で乳癌発見率の有意な向上が示された。
そこで同試験の事前に規定された二次解析では、 超音波検査併用が進行乳癌罹患率に及ぼす長期的な影響を評価した。
日本全国の42施設で2007年8月2日~2011年3月31日に過去5年以内に乳癌または他の癌の既往がなく、 平均余命が5年以上と見込まれる40~49歳で無症状の女性7万2,661例が、 2年間のスクリーニング期間における2回の検査内容より以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
参加者は初回検診を受けた2年後に2回目の検診を受けるよう求められた。
事前に規定された二次解析では、 副次評価項目としてデータカットオフ時 (2024年10月4日) までのTNM分類に基づくStageⅡ以上の進行乳癌の累積罹患率を評価した。
追跡期間中央値は、 介入群が11.4年 (範囲 0.0-16.1年、 四分位範囲 [IQR] 9.3-12.9年)、 対照群が11.3年 (範囲 0.0-16.1年、 IQR 8.9-12.9年) であった。
StageⅡ以上の進行乳癌は、 介入群で検出された乳癌894例のうち234例 (26%)、 対照群で検出された乳癌843例のうち277例 (33%) で認められ、 介入群で累積罹患率の有意な低下が示された (HR 0.83 [95.6%CI 0.70-0.98]、 p=0.026)。
Kaplan–Meier曲線より累積罹患率の群間差は時間経過により一定ではない可能性が示唆された。 検診後4年 (48ヵ月) ~8年 (96ヵ月) の期間に両群間で有意差が認められ、 この間、 群間差は拡大する傾向を示したものの、 その後は概ね並行して推移した。
著者らは 「超音波検査の併用により、 40~49歳の女性における進行乳癌の累積罹患率低下が示された。 これらの知見は、 特に高濃度乳房を有する女性が多いアジア人集団に対する検診プログラムとして超音波検査を併用することの潜在的価値を支持するものであり、 将来の乳癌検診ガイドライン策定に資する可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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