海外ジャーナルクラブ
1年前
Maekawaらは、 悪液質が高齢の心不全 (HF) 患者の予後に与える影響を前向き多施設コホート研究FRAGILE-HFの二次解析で検討。 その結果、 悪液質はHFを有する高齢者の1/3に認められ、 予後不良と関係していた。 本研究はJ Cachexia Sarcopenia Muscle誌において発表された。
生化学的プロフィールの異常はCPR>5mg/dL, Hb<12g/dL, albumin<3.2g/dLと定義されています。
悪液質はHF患者の予後に大きく影響するが、 悪液質診断の標準的な方法はない。
65歳以上のHF入院患者:1,306例
生存分析で評価された全死因死亡率
悪液質は登録患者1,306例中35.5%に認められた
全死亡は2年間で270例 (21.0%) にみられた。
悪液質群 (HR 1.494、 95%CI 1.173-1.903、 P=0.001) は、 HFの重症度で調整した後、 非悪液質群よりも死亡リスクが高かった。
心血管死は11.3% (148例)、 非心血管死は9.3% (122例) にみられた。
心血管死と非心血管死における悪液質の調整HRは、 それぞれ1.456 (95%CI 1.048-2.023、 P=0.025) と1.561 (95%CI 1.086-2.243、 P=0.017) だった。
悪液質の診断基準のうち、 筋力の低下 (HR 1.514、 95%CI 1.095-2.093、 P=0.012) および無脂肪体重指数の低下 (HR 1.424、 95%CI 1.052-1.926、 P=0.022) は、 高い全死因死亡率と有意に関係していたが、 体重減少のみ (HR 1.147、 95%CI 0.895-1.471、 P=0.277) と全死亡率との間には有意な関係は認められなかった。
悪液質はHFを有する高齢者の1/3に認められ、 予後不良と関係していた。 悪液質の多角的評価は高齢HF患者のリスク層別化に有用と考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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