【Clin Gastroenterol Hepatol】P-CABの過度な酸抑制が胃癌発症リスクと関連
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【Clin Gastroenterol Hepatol】P-CABの過度な酸抑制が胃癌発症リスクと関連

【Clin Gastroenterol Hepatol】P-CABの過度な酸抑制が胃癌発症リスクと関連
新井氏らは、 Helicobacter pylori (H. pylori) 除菌後の胃癌リスクとカリウムイオン競合型アシッドブロッカー (P-CAB)、 特にボノプラザン使用との関連性について、 日本人のデータを用いた人口ベースのマッチドコホートを用いて検討した。 その結果、 特に長期または高用量でのP-CABの使用がH. pylori除菌後の胃癌リスク増加と関連していることが示された。 本研究はClin Gastroenterol Hepatolにおいて発表された。

📘原著論文

Association between Vonoprazan and the risk of gastric cancer after Helicobacter pylori eradication. Clin Gastroenterol Hepatol. 2024 Feb 12:S1542-3565(24)00165-4. PMID: 38354970

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

感度分析ではP-CABはPPIと同じくらいのリスクであり、 また高用量や長期投与でリスクが増加する点(Duration/Dose Dependency)を示しており説得力のある研究成果です。

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P-CABと除菌後胃癌リスクとの関連は不明

P-CABはプロトンポンプ阻害薬 (PPI) の代替薬として上部消化管障害治療に使用されている。 PPIはH. pylori除菌後の胃癌リスク増加と関連しているが、 P-CABについては不明である。

対象は5万4,055例

対象

2015~18年にH. pylori除菌のためクラリスロマイシンを処方された患者 : 5万4,055例

介入

P-CAB (ボノプラザン) 使用者とヒスタミン2型受容体拮抗薬 (H₂RA)、 PPIの使用例を同定し、 傾向スコアを用いて年齢、 性別、 併存疾患、 喫煙、 飲酒、 併用薬などを考慮して算出した集団で、 胃癌の発症率を比較した。

H. pylori除菌に失敗した患者、 除菌前または除菌後1年以内に胃癌を発症した症例は除外した。

主要評価項目

胃癌累積発症率

長期使用や高用量でリスク増

追跡期間中央値

3.65年

主要評価項目

P-CABを使用した群はH₂RA群と比べて、 より胃癌累積発症率が高かった。 特に3年以上の使用例や、 高用量例でリスクが増加した。

P-CAB群

  • 3年後 : 1.64%
  • 4年後 : 2.02%
  • 5年後 : 2.36%

H2RA群

  • 3年後 : 0.71%
  • 4年後 : 1.04%
  • 5年後 : 1.22%
HR 1.92(95%CI 1.13-3.25)、 p=0.016

感度分析の結果、 P-CAB群とPPI群の除菌後胃癌累積発症リスクはPPI群と同等で、 両群に有意差は認められなかった。

HR 0.88

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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