海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Kimらは、 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の既往患者を対象に、 COVID-19が自己免疫性炎症性リウマチ性疾患 (AIRD) の発症リスクに及ぼす長期的な影響について、 韓国-日本の二国間横断コホート研究で検討した。 その結果、 COVID-19はインフルエンザ感染または非感染の患者と比較して、 罹患後12ヵ月時までのAIRD発症リスクの増加と関連していた。 本研究はAnn Intern Med誌において発表された。
韓国と日本の2国間データベース研究です。 日本のレセプトデータが使用されていますが、 著者の研究グループに日本人がいないので不思議な感じがあります。
COVID-19の既往患者では未感染患者と比較してAIRDのリスクが高まることを示唆する報告は複数あるが、 これまでの研究には対象集団の保健医療行動や固有リスクといったバイアスが考慮されていなかった。
2020年1月1日~21年12月31日にCOVID-19に罹患した韓国人患者 (1,002万7,506例) および日本人患者 (1,221万8,680例)
韓国 (K-COV-Nコホート) および日本 (JMDCコホート) の全国請求ベースデータベースを用いて傾向スコアマッチングによるベースライン特性を調整し、 COVID-19群、 非感染群、 インフルエンザ群についての新規AIRD発症を検証した。
COVID-19またはインフルエンザ感染後1、 6、 12ヵ月後、 またはマッチングした未感染対照患者の指標日~1、 6、 12ヵ月後におけるAIRDの新規発症率
2020~21年に、 韓国人参加者のうち3.9% (39万4,274例) が、 日本人参加者のうち8.2% (100万2,525例) がCOVID-19に罹患していた。
傾向スコアマッチング後、 感染後30日を超えると、 COVID-19既往患者は感染なしまたはインフルエンザ感染のマッチング患者と比較してAIRD発症リスクが高かった。
韓国人
調整HR 1.25 (95%CI 1.18-1.31、 p<0.05)
日本人
調整HR 1.79 (95%CI 1.77-1.82、 p<0.05)
AIRDの発症リスクは、 COVID-19の重症度が高い場合に上昇した。 このパターンは韓国人コホート、 日本人コホート共通で観察された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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