海外ジャーナルクラブ
2年前
Pittetらは、 医療従事者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防を目的としたBCGワクチンの効果を二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 BCG-Denmarkによるワクチン接種がプラセボと比較して医療従事者のCOVID-19のリスクを低下させなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
COVID-19関連研究は、 現在検証段階と言えます。 このBCGワクチンの予防効果についても、 その当時誰が支持して、 誰が支持していなかったのか、 またその根拠などを今なら冷静に遡れると思います。 今後新たな感染症のパンデミックが起きた場合に、 誰の意見に耳を傾けた方がいいのか,未来のために検証が必要です。
BCGワクチンは、 COVID-19から保護する可能性のある免疫調節「オフターゲット」効果を有している。
医療従事者
対象者を以下の群に無作為に割り付け。
症候性COVID-19および重症Covid-19の発生。
重症COVID-19の試験定義を満たす参加者の大部分は、 入院しなかったが少なくとも連続3日間仕事ができない状態にあることが示された。
より保守的でない打ち切りルールを用いた補足分析および感度分析では、 リスク差は同様であったが、 信頼区間はより狭くなっていた。
COVID-19による入院は各群で5件であった (プラセボ群の死亡1件を含む)。
プラセボ群と比較したBCG群のあらゆるCOVID-19エピソードのハザード比は1.23 (95%CI 0.96-1.59) であった。
BCG-Denmarkによるワクチン接種は、 プラセボと比較して医療従事者のCOVID-19のリスクを低下させなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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