【NEJM】BCGワクチンの接種によりCOVID-19のリスク低下せず
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】BCGワクチンの接種によりCOVID-19のリスク低下せず

【NEJM】BCGワクチンの接種によりCOVID-19のリスク低下せず
Pittetらは、 医療従事者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防を目的としたBCGワクチンの効果を二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 BCG-Denmarkによるワクチン接種がプラセボと比較して医療従事者のCOVID-19のリスクを低下させなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Randomized Trial of BCG Vaccine to Protect against Covid-19 in Health Care Workers.N Engl J Med. 2023 Apr 27;388(17):1582-1596.PMID: 37099341

👨‍⚕️監修医師のコメント

COVID-19関連研究は、 現在検証段階と言えます。 このBCGワクチンの予防効果についても、 その当時誰が支持して、 誰が支持していなかったのか、 またその根拠などを今なら冷静に遡れると思います。 今後新たな感染症のパンデミックが起きた場合に、 誰の意見に耳を傾けた方がいいのか,未来のために検証が必要です。

🔢関連コンテンツ

4C mortalityスコア

COVID-19入院患者の予後予測スコア

背景

BCGワクチンは、 COVID-19から保護する可能性のある免疫調節「オフターゲット」効果を有している。

研究デザイン

対象

医療従事者

介入

対象者を以下の群に無作為に割り付け。

  • BCG 群:1703例
BCG-Denmarkワクチンを接種
  • プラセボ群:1683例
生理食塩水を接種

主要評価項目

症候性COVID-19および重症Covid-19の発生。

研究結果

6カ月後の症候性COVID-19の推定リスク

  • BCG群:14.7%
  • プラセボ群:12.3%
リスク差 2.4%ポイント、 95%CI -0.7-5.5、 P=0.13

6カ月後の重症COVID-19のリスク

  • BCG群:7.6%
  • プラセボ群:6.5%
リスク差 1.1%ポイント、 95%CI -1.2-3.5、 P=0.34

重症COVID-19の試験定義を満たす参加者の症状

重症COVID-19の試験定義を満たす参加者の大部分は、 入院しなかったが少なくとも連続3日間仕事ができない状態にあることが示された。

補足分析および感度分析

より保守的でない打ち切りルールを用いた補足分析および感度分析では、 リスク差は同様であったが、 信頼区間はより狭くなっていた。

COVID-19による入院

COVID-19による入院は各群で5件であった (プラセボ群の死亡1件を含む)。

COVID-19エピソードのハザード比

プラセボ群と比較したBCG群のあらゆるCOVID-19エピソードのハザード比は1.23 (95%CI 0.96-1.59) であった。

結論

BCG-Denmarkによるワクチン接種は、 プラセボと比較して医療従事者のCOVID-19のリスクを低下させなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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