海外ジャーナルクラブ
9日前

Nathanらは、 特発性肺線維症 (IPF) 患者に対する吸入トレプロスチニルの有効性および安全性を、 米国・カナダで実施された第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験 (RCT) であるTETON-1に加え、 アジア太平洋地域・欧州・南米で実施された既報のTETON-2との統合解析で評価した。 その結果、 吸入トレプロスチニルはプラセボと比べてベースラインから52週時までの努力肺活量 (FVC) 低下を有意に抑制し、 臨床的悪化発生の有意な減少も認められた。 本研究はN Engl J Med誌において発表された。
本試験の限界として、 トレプロスチニル群27.1%、 プラセボ群27.8%と、 試験中止率が高かった点が挙げられます。
IPFに対する吸入トレプロスチニルの抗線維化作用に関する前臨床および臨床エビデンスに基づき、 第Ⅲ相RCTとしてTETON-1試験およびTETON-2試験の2件が実施された。 TETON-2試験はアジア太平洋地域・欧州・南米の患者が参加し、 既に結果が報告されている。
そこで今回は、 米国・カナダの患者が参加したTETON-1試験の結果に加え、 事前に規定されたTETON-1およびTETON-2の統合解析結果が報告された。
TETON-1試験において、 IPF患者598例が以下の2群に無作為に割り付けられ、 いずれも1日4回、 1回12吸入で投与した。
主要評価項目はベースラインから52週時までのFVCの変化量であった。 副次評価項目は臨床的悪化 (全死因死亡、 呼吸器疾患による入院、 または予測FVCに対する割合 [%FVC] の10%以上の相対的低下のいずれかの初回発生) およびIPFの急性増悪 (いずれもtime-to-event解析で評価)、 生存、 %FVCの変化、 生活の質 (QOL)、 ベースラインから52週時までの一酸化炭素肺拡散能の変化量であり、 多重性を制御するため、 事前に規定された順序で解析された。
434例が52週時までの評価を完了し、 内訳はトレプロスチニル群が218例、 プラセボ群が216例であった。 患者の平均年齢は73.0歳、 77.3%が男性、 77.6%が基礎治療として抗線維化療法を受けており、 ベースライン時の%FVCは74.6%であった。
ベースラインから52週時までのFVC変化量中央値は、 トレプロスチニル群が-43.3mL (95%CI -92.1~-9.1mL) であり、 プラセボ群の-196.2mL (95%CI -227.1~-155.6mL) と比べて有意に低下が抑制された (群間差 130.1mL [95%CI 82.2-178.1mL]、 p<0.001)。
臨床的悪化の発生率は、 トレプロスチニル群が31.8%であり、 プラセボ群の44.5%と比べて有意な減少が認められた (HR 0.67 [95%CI 0.52-0.88]、 p=0.003)。
一方で、 IPFの急性増悪までの期間で両群間に有意差は認められず、 副次評価項目に関するそれ以上の推論は行われなかった。
最も頻度の高かった有害事象 (AE) は咳嗽であり、 トレプロスチニル群の54.8%、 プラセボ群の33.1%で報告された。 トレプロスチニルまたはプラセボの投与中止は、 それぞれ40.5%、 32.8%に認められ、 主な理由はAE (20.7%、 14.7%) であった。
両試験の統合データ解析においても、 有効性および安全性の結果は同様であった。
著者らは 「IPF患者において、 吸入トレプロスチニルはプラセボと比べて52週間にわたりFVCの低下を抑制し、 臨床的悪化の発生も減少した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。