HOKUTO編集部
17日前

CDK4/6阻害薬+アロマターゼ阻害薬の投与中または投与後に病勢進行したホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性PIK3CA変異型進行乳癌患者を対象に、 pan-PI3K/mTORC1/2阻害薬gedatolisib+フルベストラント±CDK4/6阻害薬パルボシクリブの有効性および安全性を、 PI3Kα阻害薬alpelisib+フルベストラントを対照に比較評価した第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験VIKTORIA-1のコホート2の結果が報告された。 gedatolisib3剤併用・2剤併用はいずれも主要・副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。 米・Fred Hutch Cancer CenterのSara A. Hurvitz氏が発表した。
HR陽性HER2陰性進行乳癌では、 PI3K/AKT/mTOR (PAM) 経路が腫瘍増殖を促進し、 内分泌療法およびCDK4/6阻害薬への耐性に関与することが知られている。 CDK4/6阻害薬による治療後のPIK3CA変異陽性例において、 PI3Kα阻害薬やAKT阻害薬によるベネフィットは限定的であり、 重大な毒性が問題となる場合がある。
gedatolisibは、 PAM経路を包括的に阻害する。 VIKTORIA-1試験では、 PIK3CAの状態に基づく2つのコホートで、 このgedatolisibを含むレジメンを評価した。 先行して報告されたコホート1では、 HR陽性HER2陰性PIK3CA野生型進行乳癌患者において、 gedatolisib+フルベストラント+パルボシクリブ (3剤併用療法) およびgedatolisib+フルベストラント (2剤併用療法) が、 フルベストラントと比べてPFSを有意に改善した*。
今回は、 HR陽性HER2陰性PIK3CA変異型進行乳癌患者を対象としたコホート2において、 gedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブとalpelisib+フルベストラントの治療転帰を比較評価した結果が報告された。
第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験VIKTORIA-1のコホート2において、 化学療法およびPAM経路阻害薬による治療歴がなく、 CDK4/6阻害薬+アロマターゼ阻害薬の投与中または投与後に病勢進行し、 測定可能病変(RECIST v1.1)を有するHbA1c<6.5%のHR陽性HER2陰性PIK3CA変異型進行乳癌患者362例が以下の3群に3 : 3 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS (gedatolisib3剤併用群 vs alpelisib+フルベストラント群)、 主な副次評価項目は全生存期間(OS)であった。
追跡期間中央値11.0ヵ月におけるgedatolisib3剤併用群のPFS中央値は11.1ヵ月 (95%CI 9.0-16.7ヵ月) であり、 alpelisib+フルベストラント群の5.6ヵ月 (95%CI 5.2-7.4ヵ月)と比べて有意に改善した (調整HR 0.50 [95%CI 0.37-0.68]、 p<0.0001)。
gedatolisib3剤併用群のPFSベネフィットは、 ほとんどのサブグループで一貫して認められた。
gedatolisib2剤併用群のPFS中央値は11.3ヵ月(95%CI 9.1-22.1ヵ月)であり、 alpelisib+フルベストラント群と比べて有意に改善した (調整HR 0.51 [95%CI 0.33-0.79]、 p=0.0013)。
gedatolisib2剤併用群のPFSベネフィットは、 ほとんどのサブグループで一貫して認められた。
OSは中間解析として評価され、 immatureであった (gedatolisib3剤併用群 vs alpelisib+フルベストラント群のmaturity 45.8%)。
gedatolisib3剤併用群のOS中央値は未到達 (95%CI 21.5ヵ月-NE)であり、 alpelisib+フルベストラント群の31.1ヵ月(95%CI 20.0ヵ月-NE) と比べて数値的に良好であった (調整HR 0.76 [95%CI 0.50-1.14]、 p=0.0908)。
gedatolisib2剤併用群のOS中央値は22.8ヵ月 (95%CI 17.6ヵ月-NE) であり、 alpelisib+フルベストラント群との調整HRは0.93 (95%CI 0.55-1.6、 p=0.4026) であった。
ORRはgedatolisib3剤併用群が48.9%、 gedatolisib2剤併用群が35.7%、 alpelisib+フルベストラント群が26.0%であった。
DOR中央値はそれぞれ15.7ヵ月 (95%CI 9.2-20.6ヵ月)、 24.2ヵ月 (95%CI 7.4-NEヵ月)、 7.5ヵ月 (95%CI 5.5-15.8ヵ月)であった。
治療関連有害事象 (TRAE) による治療中止率は、 gedatolisib3剤併用群が2.6%、 gedatolisib2剤併用群が3.8%、 alpelisib+フルベストラント群7.1%と、 gedatolisib併用2群で低かった。
高血糖がそれぞれ15.0%、 11.5%、 57.9%、 口内炎が61.4%、 61.5%、 34.2%で認められた。
Hurvitz氏は 「VIKTORIA-1試験の総合的な結果は、 PIK3CA変異の有無に関わらず、 HR陽性HER2陰性進行乳癌に対する2次治療として、 gedatolisib併用療法が新たな標準治療となり得ることを示している。 また、 これらの結果は、 HR陽性/HER2陰性進行乳癌において、 PAM経路が分子ドライバーであることを裏付けるものである」 と報告した。
【JCO】HR+PIK3CA野生型乳癌、 gedatolisibがPFS4倍超延長
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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