海外ジャーナルクラブ
1年前
Napolitanoは、 RAS野生型(WT)転移性大腸癌 (MCRC) の患者を対象に、 3次治療としての抗EGFRモノクローナル抗体パニツムマブ+トリフルリジン/チピラシル配合剤(商品名ロンサーフ)併用療法の効果を第Ⅱ相無作為化臨床試験で検討。 その結果、 パニツムマブ+トリフルリジン/チピラシル併用療法は、 トリフルリジン/チピラシル単剤に比較して、無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
もともとN数が少ないのでサブグループ解析のサンプルサイズが極めて少ないのはlimitationです。
MCRC患者に対する現在の3次治療は有効性に限界がある。 RAS WT MCRCに対するEGFR阻害薬の投与は、 これらの患者にとって価値がある可能性がある。
1次治療+抗EGFRモノクローナル抗体で部分奏効または完全奏効を示し、 2次治療で抗EGFR薬無投与期間が4カ月以上あった難治性のRAS WT MCRC患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け
PFS
治療前の血漿RAS/BRAF WT ctDNAにより、 併用療法で臨床的便益が延長する患者が特定された。
6カ月後のPFS
12カ月後のPFS
ベースラインで血漿RAS/BRAF WT ctDNAを有する患者のサブグループ解析において、 FoundationOne Liquid CDxによるctDNAリキッドバイオプシー拡張変異解析 (324遺伝子のプロファイリング) が実施され、 腫瘍がKRAS、 NRAS、 BRAFV600E、 EGFR、 ERBB2、 MAP2K1、 PIK3CAのWTであった患者65.2% (23例中15例) において、 PFS中央値は6.4カ月 (95%CI 3.7-9.2カ月) だった。
この15例の患者グループの中で、 13.3% (2例) が部分奏効、 73.3% (11例) が病勢安定、 13.3% (2例) が最良奏効として病勢進行であった。
難治性RAS WT MCRC患者において、 抗EGFRモノクローナル抗体パニツムマブと標準治療のトリフルリジン/チピラシル配合剤を併用した3次治療は、 トリフルリジン/チピラシル単独治療と比較してPFSが有意に改善した。 この知見は、 難治性RAS WT MCRCに対するリキッドバイオプシーガイドによる抗EGFR再チャレンジ療法の臨床的有用性を支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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