海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Hisamatsuらは、 日本人を対象にした前向きコホートNIPPON DATA80を基に、 高血圧と胃癌、 肺癌、 大腸癌、 肝癌、 膵癌による死亡リスクとの関連を検討した。 その結果、 特に30~49歳の高血圧は、 後年における大腸癌死亡リスクと独立して関連していることが明らかとなった。 本研究はHypertens Res誌において発表された。
今回の仮説の提唱からは、 やはり高血圧に対する治療や生活スタイルの改善が大腸癌死亡リスクを改善するかどうかが気になります。
高血圧と癌リスクとの関連については、 一貫した結果が得られていない。
高血圧は大腸癌死亡リスクと正の関連を認めたが、 他の癌による死亡リスクとは相関しなかった。
収縮期および拡張期血圧の大腸癌死亡率との関連は、 30~49歳では明らかであった。
収縮期血圧におけるHR 1.43(95%CI 1.22-1.67)
拡張期血圧におけるHR 1.86(95%CI 1.32-2.62)
一方、 50~59歳および60歳以上では認められなかった。
収縮期および拡張期血圧における年齢交互作用のp<0.01
大腸癌死亡リスクとの関連は、 喫煙、 飲酒、 肥満、 糖尿病の有無で層別化した解析でも同様であった。
30~49歳の高血圧は、 後年の大腸癌死亡リスクと独立して関連していることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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