海外ジャーナルクラブ
2年前
Tie Jらは、 II期の結腸癌患者455名を対象に、 血中循環腫瘍DNA (ctDNA) を用いたアプローチにより、 再発リスクに影響を及ぼすことなく術後化学療法の使用を少なくできるかを検証する第Ⅱ相試験を実施 (DYNAMIC試験) . その結果、 ctDNAを用いたアプローチは、 無再発生存率 (RFS) を低下させることなく、 術後補助化学療法の使用量を減少させることが明らかとなった. 本研究はNEJM誌において発表された.
術後にctDNAが存在する場合、 無再発生存率は非常に低いと予測されるが、 ctDNAがない場合、 再発リスクは低いと推察される. ctDNA陽性患者に対する術後補助化学療法の有用性は十分に解明されていない.
追跡期間中央値は37ヵ月であった. 術後補助化学療法を受けた患者の割合はctDNA管理群で有意に少なかった.
2年RFSの評価は、 ctDNA管理群が標準管理群に対して非劣性であった.
3年RFSの評価:以下の通りであった.
Tie Jらは「ステージⅡ結腸癌の治療において、 ctDNAを用いたアプローチは、 無再発生存率を低下させることなく、 術後補助化学療法の使用量を減少させた」と結論づけた.
本邦の大腸癌治療ガイドライン 医師用2019年版においても、 ステージⅡ大腸癌の術後補助化学療法をルーチンで行うことは推奨されていません (CQ18). 再発高リスク因子、 治療の有益性・副作用を十分加味、 説明したうえで術後補助化学療法を行うことが推奨されます. なお、本試験の🎬動画解説 (無料)は大変わかりやすいのでお薦めです.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。