海外ジャーナルクラブ
30日前
Meattiniらは、 70歳以上の早期乳癌患者を対象に、 乳房温存術後の内分泌療法と放射線療法の有効性を第Ⅲ相非劣性無作為化比較試験EUROPAで比較検証した。 その結果、 放射線療法は内分泌療法と比較して健康関連QOL (HRQOL) が優れており、 治療関連有害事象の発現率も低いことが示された。 今回、 中間解析の結果がLancet Oncol誌に発表された。
本論文の内容は、 主要評価項目としてあらかじめ決められていた、 24ヵ月後の中間解析結果です。 5年後の長期アウトカム結果にも注目です。
G-8による高齢癌のフレイル評価、 健康関連QOLの改善に寄与する可能性
高齢女性の低リスク早期乳癌で、 乳房温存手術後の最適な治療選択肢はいまだ明確でない。 本試験は、 放射線療法と内分泌療法を比較し、 患者のHRQOLや同側乳房腫瘍再発 (IBTR) への影響を評価する目的で実施された。
ルミナルA型早期乳癌の診断で乳房温存手術を受けた70歳以上の女性患者731例を、以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
主要評価項目は①24ヵ月時点のEORTC QLQ-C30 global health status (GHS) スコアによるHRQOL、 ②5年間のIBTR率*とした。
24ヵ月時点の年齢およびG8スコア調整後のGHSスコアの最小二乗平均の変化は以下の通りであった。
治療関連有害事象の発現頻度についても、 放射線治療群 (67%) の方が内分泌療法群 (85%) より低かった。 重篤な有害事象に関しては、 両群間に差はなかった (放射線治療群15%、 内分泌療法群15%)。 また、 両群ともに治療関連死は認められなかった。
著者らは 「この中間結果は、 低リスク早期乳癌の高齢女性では、 放射線治療の方がHRQOLを維持できる可能性を示唆している。 しかし、 最終的な結論を導くにはさらに詳細なデータが必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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