海外ジャーナルクラブ
4日前

Leeらは、 2年ごとの便潜血検査 (FIT) +1回のヘリコバクター・ピロリ (H. pylori) 便中抗原検査を追加する共同検査の費用対効果について、 台湾の実践的無作為化比較試験を基盤としたマルコフモデルで検討した。 その結果、 台湾では共同検査がFIT単独に比べて効果的かつ低費用であり、 1QALY (質的調整生存年) 獲得あたり2,094ドルの費用が削減されると推計された。 研究結果はJAMA誌に発表された。
H. pyloriのスクリーニングは抗菌薬使用の増加につながるものの、 薬剤耐性への長期的な影響は依然として不明です。
H. pylori感染は胃癌の最大の原因であるが、 集団ベースの検査と除菌の経済的価値は依然として不確実である。
本研究では、 2年ごとの便潜血検査 (FIT) に1回のH. pylori便中抗原検査を追加する共同検査が、 FIT単独と比べて生涯の健康便益と費用にどのような影響を及ぼすかを推計した。
本研究は、 マルコフ決定分析モデルを用いた生涯費用対効果分析である。 台湾彰化県の実践的無作為化比較試験 (RCT) の情報をもとに、 30年間のシミュレーションにより、 胃癌および大腸癌による死亡、 質的調整生存年 (QALY)、 医療費について長期アウトカムを推計した。
主要アウトカムは共同検査とFIT単独を比較した費用対効果比増分 (ICER : 1人あたり1QALY獲得に要する追加費用) とし、 副次アウトカムは純金銭便益 (net monetary benefit) と費用便益比 (benefit-cost ratio) とした。
FIT単独と比較して、 共同検査はより効果的かつ低費用であった。 純金銭便益はプラスで、 台湾の集団において約5倍の投資回収が見込まれた (費用便益比5.08)。
ベースケースのICER
2,094ドル (95%CI 12,359ドルの費用削減-7,291ドルの追加費用)
1QALY当たりの支払い意思額を台湾の1人あたりGDPの1倍 (3万3,365ドル) とした場合、 共同検査はシミュレーションの65.7%で費用削減が維持された。
米国の費用設定では共同検査により費用削減には至らなかったが、 試験のベースケースのH. pylori有病率では費用対効果は維持された。 感度分析ではH. pylori有病率が最も強い規定因子であり、 有病率が21.9%を下回ると共同検査の費用対効果は1QALYあたり10万ドルの閾値を超え、 費用対効果は維持されない可能性が示唆された。
著者らは、 「アドヒアランスが不完全な実臨床環境において、 H. pylori便中抗原検査とFITの共同検査はFIT単独より費用対効果に優れ、 生涯アウトカムを改善し台湾では費用削減をもたらす一方、 中等度のH. pylori有病率の下ではより高費用の医療環境でも費用対効果を保った」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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