海外ジャーナルクラブ
12日前

Giannakeasらは、 BRCA1/BRCA2病的バリアント保有者 (以下、 BRCA1/2保有者) を対象に、 予防的両側卵管卵巣摘出術 (BSO) の施行年齢別に卵巣癌の残存生涯リスクをを国際多施設共同の前向きコホート研究で検討。 その結果、卵巣癌の生涯リスクはBRCA1保有者で55.0%、 BRCA2保有者で24.1%と推定され、30歳のBRCA1保有者がBSOを50歳まで延期した場合の残存リスクは23.9%であることが示された。 75歳時点でも残存リスクはBRCA1保有者で8.4%、 BRCA2保有者で3.7%と推定された。 研究結果はJAMA Surg誌に発表された。
80歳超の女性のデータが不足しており、 卵巣癌発症率のモデルは80歳で打ち切られているため、 高齢者のリスク推定には限界があります。
【Nat Rev Dis Primers】卵巣癌 総説 「何が分かる?」
BRCA1またはBRCA2の病的バリアントを有する女性では卵巣癌の生涯リスクが高いため、 発症前の予防的BSOが勧められることが多い。 推奨施行年齢はBRCA1保有者で35歳、 BRCA2保有者で45歳とされているが、 閉経期まで手術を延期する女性もおり、 手術が勧められる年齢の上限に標準的な基準はない。 本研究は、 現在の年齢とBSOの予定施行年齢別に、 BRCA1/2保有者の卵巣癌の残存する生涯リスクを推定することを目的とした。
本研究では、 卵巣癌の新規発症を前向きに追跡した国際コホートの解析を行った。 対象は、 ベースライン時に両側の卵巣が温存され、 卵巣癌の既往がないBRCA1またはBRCA2の病的バリアント保有者で、 1995~2024年に世界各国の24施設で登録された。
年齢別の卵巣癌罹患率と競合死亡率を用いた生命表解析*により卵巣癌の生涯リスクを推定した。 曝露はBSOの時期 (即時BSO、 延期BSO、 BSOなし) とし、 主要評価項目は卵巣癌の残存生涯リスク**とした。
コホートはベースライン時30~74歳のBRCA1保有者4,286例とBRCA2保有者1,427例で構成され、 平均年齢は42.0歳 (標準偏差 [SD] 10.8) であった。 平均追跡期間4.4年 (SD 3.9) に249例が卵巣癌を新規発症した。
卵巣癌の生涯リスクはBRCA1保有者で55.0% (95%CI 48.8-61.9%)、 BRCA2保有者で24.1% (95%CI 15.1-36.6%) と推定された。
BSO予定年齢別の推定では、 30歳時点のBRCA1保有者がBSOを50歳まで延期した場合、 卵巣癌の残存リスクは23.9% (95%CI 20.7-27.4%) であった。
また、 75歳時の卵巣癌の残存リスクはBRCA1保有者で8.4% (95%CI 1.7-22.7%)、 BRCA2保有者で3.7% (95%CI 0.1-22.7%) であった。
著者らは、 「健康な高齢女性でも卵巣癌の残存リスクは予防的手術を検討するに足る水準にあり、 BSOを50歳まで延期しているBRCA1保有者には大きな卵巣癌発症リスクがある可能性がある」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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