【Lancet】感染関連死亡の10%が肥満起因、 55万例のコホートで推定
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海外ジャーナルクラブ

14日前

【Lancet】感染関連死亡の10%が肥満起因、 55万例のコホートで推定

【Lancet】感染関連死亡の10%が肥満起因、 55万例のコホートで推定
Nybergらは、 成人肥満と感染症全般との関連を明らかにするため、 フィンランドの2コホートおよびUK Biobankの計約55万例を対象に925種類の感染症について解析し、 得られたHRと世界疾病負荷データを用いて肥満に起因する感染関連死亡の割合を推定した。 その結果、 肥満は致死的/非致死的重症感染症リスクの上昇と関連しており (統合HR 1.7 [95%CI 1.7–1.8])、 この結果は病原体の種類や集団の背景を問わず一貫していた。 そして、 全人口における感染関連死亡の約10%が肥満に起因すると推定された。 試験結果はLancet誌に発表された。 

📘原著論文

Adult obesity and risk of severe infections: a multicohort study with global burden estimates. Lancet. 2026 Mar 7;407(10532):951-962. Epub 2026 Feb 9. PMID: 41679324

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は観察研究であるため因果関係の証明には限界があり、 BMI評価や自己申告データ、 非代表的コホートに基づく点から、 一般化可能性および推定精度には一定の制約があります。

🔢関連コンテンツ

BMIによる肥満度分類・肥満症定義

肥満症診療ガイドライン2022より

背景

成人肥満は各種感染症に関連

成人肥満は特定の感染症との関連が報告されているが、 感染症全体にわたるエビデンスは少ない。 そこで、 成人肥満と感染症の関連について、 925種類の感染症 (細菌、 ウイルス、 寄生虫、 真菌) を対象に、 世界および地域別にその影響を推定した。

研究デザイン

複数コホートと世界の肥満有病率から、 肥満起因の致死的感染症割合を推計

フィンランドの2つのコホート研究の統合データと、 UK Biobankを用いた。 ベースライン時のBMIを基に、 参加者を標準体重 (18.5~24.9kg/m²)、 過体重 (25.0~29.9kg/m²)、 肥満に分類した。 肥満はさらに、 クラス1 (30.0~34.9kg/m²)、 クラス2 (35.0~39.9kg/m²)、 クラス3 (40.0kg/m²以上) に区分した。

上記データから得られたHRと、 世界の肥満有病率推計 (Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Studyデータベース) を用いて、 2018年、 2021年、 2023年における、肥満に起因する致死的感染症割合を、 世界全体、 地域および国別に推定した。

結果

肥満により致死的/非致死的重症感染症リスクが上昇 (HR 1.7)

フィンランドのコホートから成人6万7,766例、 UK Biobankから成人47万9,498例が含まれた。

肥満 (クラス1~3) は、 致死的/非致死的重症感染症のリスク上昇と関連し (統合HR 1.7 [95%CI 1.7-1.8])、 肥満指標や集団特性、 感染症の種類を問わず一貫して認められた。

また、 クラス3肥満は標準体重と比較し、 感染関連入院リスク、 死亡リスク、 そのいずれかの転帰リスクが約3倍高かった。

感染関連入院リスク

  • フィンランドのコホート : HR 2.75 (95%CI 2.24-3.37)
  • UK Biobank : HR 3.07 (95%CI 2.95-3.19)

死亡リスク

  • フィンランドのコホート : HR 3.06 (95%CI 1.25-7.49)
  • UK Biobank : HR 3.54 (95%CI 3.15-3.98)

上記いずれかの転帰リスク

  • フィンランドのコホート : HR 2.69 (95%CI 2.19-3.30)
  • UK Biobank : HR 3.07 (95%CI 2.95-3.19)

感染関連死亡のうち、 肥満に起因する割合は約10%

これらのリスク推定値と世界疾病負荷データを用いた推定では、 全人口における感染関連死亡のうち肥満に起因すると推定される割合は約10%であった。

肥満に起因する感染関連死亡の人口寄与割合

  • 2018年 : 8.6% (95%CI 6.6~11.1%)
  • 2021年 : 15.0% (95%CI 12.8~17.4%)
  • 2023年 : 10.8% (95%CI 8.6~13.6%)

結論

成人肥満は、 病原体・背景を問わず、 感染症入院・死亡のリスク因子

著者らは、 「成人肥満は、 病原体や集団、 ベースラインの背景を問わず、 感染症による入院・死亡リスクを高める危険因子であり、 世界の感染関連死亡の約1/10は肥満に起因する可能性が示唆された」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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