海外ジャーナルクラブ
1年前
Qinらは切除不能な肝細胞癌の患者を対象に、 抗PD-1抗体「camrelizumab」 とVEGFR-2TKI 「rivoceranib」 併用療法の有効性と安全性を非盲検国際第Ⅲ相無作為化比較試験CARES-310で検討。 結果、 ソラフェニブと比較して無増悪生存期間(PFS)および全生存期間 (OS) を有意に延長した。 本研究はLancet誌において発表された。
これだけ強い結果を示している中で、 サブグループ解析のうちOSについては女性はHR1.11 (95%CI 0.57-2.17)とのことですので注意が必要です。
免疫チェックポイント阻害薬とTKIを併用した免疫療法は、 進行固形癌ではVEGFR-2TKI単独と比較してOSを改善することが示されているものの、肝細胞癌ではエビデンスに乏しい。
そこで今回、 切除不能な肝細胞癌の第一選択治療として、抗PD-1抗体camrelizumabとVEGFR-2TKI rivoceranibの有効性と安全性を比較する臨床研究が実施された。
切除不能または転移性肝細胞癌で、 全身治療を受けたことのない患者
患者を以下の群に1:1で無作為に割り付けた
・ 併用群:272例
・ 対照群:271例
無増悪生存期間(PFS)と全生存期間 (OS)
PFS中央値
OS中央値
グレード3または4の治療関連有害事象
高血圧
手掌・足底発赤知覚不全症候群
AST増加
ALT増加
治療関連の重篤な有害事象
治療関連死
治療関連死は2例で発生した。
camrelizumabとrivoceranibの併用療法は、 切除不能な肝細胞癌患者に対して、 ソラフェニブと比較してPFSおよびOSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある有効性を示した。 これらの集団に対する新たな第一選択治療となり得ることが示唆される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。