海外ジャーナルクラブ
17日前

Kalinskyらは、 ホルモン受容体 (HR) 陽性/HER2陰性で再発スコア (RS) 25以下の55歳未満の乳癌患者を対象に、 治療前の卵巣予備能関連ホルモンが内分泌療法 (ET) への化学療法追加 (CET) の効果予測因子となるかを無作為化比較試験 (RxPONDER) の二次解析で検討した。 その結果、 抗ミュラー管ホルモン (AMH) 10pg/mL以上の患者ではCETにより浸潤性無病生存期間 (IDFS) が改善した (HR 0.46)。 一方、 AMH 10pg/mL未満の患者ではCETの恩恵は認められなかった。 解析結果はAnn Oncol誌に発表された。
RxPONDER試験では血清検体が前向きかつ経時的に収集されていないため、CETおよびET後の卵巣予備能やホルモン値の経時的変化を評価できませんでした。
閉経前リンパ節転移乳癌に化学内分泌療法が有効か (RxPONDER)
RxPONDERは、 再発スコア (RS) 25以下のHR陽性/HER2陰性乳癌を対象に、 内分泌療法 (ET) 単独と化学療法併用内分泌療法 (CET) を比較した第Ⅲ相試験である。 主要評価項目である浸潤性無病生存期間 (IDFS) でのCETの恩恵は、 大半が卵巣機能抑制を受けていない閉経前女性に限られていた。
本研究では、 卵巣予備能に関連するホルモンを測定し、 CETのベネフィット予測をさらに精緻化できるかどうかを検討した。
本研究は無作為化比較試験RxPONDER (SWOG S1007) の二次解析である。 55歳未満の参加者1,556例の治療前血清を用いて、 エストラジオール、 プロゲステロン、 卵胞刺激ホルモン (FSH)、 黄体形成ホルモン (LH)、 抗ミュラー管ホルモン (AMH)、 インヒビンB (INHB) を盲検下に測定した。
各マーカーとIDFSおよび遠隔無再発生存期間 (DRFS) との関連を、 RSで調整したうえでCETのベネフィットの予測という観点から評価した。 割り付け治療と各マーカーの交互作用はCox回帰で解析し、 多重性の調整を行った。
治療前のエストラジオール、 プロゲステロン、 LH、 FSHは、 CETのベネフィットの予測因子とならなかった。
AMH 10pg/mL以上 (正常な卵巣予備能のカットオフ値) は、 IDFSにおける化学療法のベネフィットと有意な交互作用を示した (p=0.0034)。
AMH 10pg/mL以上の患者では、 ET単独と比べCETでIDFSが優れていたが (HR 0.46 [95%CI 0.33-0.65、 p=0.00012])、 AMH 10pg/mL未満の患者では、 CETの恩恵は認められなかった (HR 1.27 [95%CI 0.81-1.99、 p=0.47])。
DRFSも、 AMHに同様のパターンを示した。
pg/mL域を測定する超高感度INHBもCETのベネフィットに対して予測的だった。
著者らは、 「55歳未満の閉経前患者では、 治療前AMHが10pg/mL未満の参加者はCETの恩恵を受けなかった。 AMHは閉経状態、 年齢、 他のホルモンよりも有意に優れたCETの恩恵の指標であり、 卵巣予備能の評価はCETを行う患者選択を精緻化し得る」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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