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9日前
Piotrowskaらは、 エクソン20挿入変異標的治療の有無に依らずプラチナベースの化学療法による治療歴がある局所進行または転移性のEGFRエクソン20挿入変異陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 不可逆的EGFR阻害薬zipalertinibの有効性および安全性を国際多施設共同第Ⅰ/Ⅱ相非盲検試験REZILIENT1で評価した。 その結果、 アミバンタマブ*による治療歴の有無に依らずzipalertinibは臨床的に意義ある有効性を示した。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
結論に出てくる 「X demonstrated clinically meaningful efficacy and a manageable safety profile in patients with Y.」 は初期段階の治験結果を肯定的に示しつつも、 過度に断定せず、 今後の検証の必要性を示す点でバランスの取れた言い回しで参考になります。
EGFRエクソン20挿入変異(exon20ins)標的治療の有無に依らずプラチナベースの化学療法による治療歴がある局所進行または転移性のEGFR exon20ins陽性NSCLC患者を対象に、 不可逆的EGFR阻害薬zipalertinibの有効性および安全性を評価した。
データカットオフ (2024年12月10日) 時点で、 上記対象集団244例にzipalertinib100mgが1日2回投与された。
追跡期間8ヵ月における有効性解析集団176例が、 治療歴により以下の3群に割り付けられた。
既治療または未治療で無症候性の脳転移のある患者の参加も許容された。
主要評価項目は独立中央判定による客観的奏効率 (ORR) および奏効期間 (DOR) であった。
全集団におけるORRは35.2% (95%CI 28.2-42.8%)、 DOR中央値は8.8ヵ月 (95%CI 8.3-12.7ヵ月) であった。
化学療法単独群、 アミバンタマブ群、 アミバンタマブ併用群のORRはそれぞれ40%、 30%、 14.3%、 DOR中央値はそれぞれ8.8ヵ月、 14.7ヵ月、 4.2ヵ月であった。
脳転移を有する68例におけるORRは30.9%であった。
多くみられた主なGrade3以上の治療関連有害事象 (TRAE) は、 貧血 (7%)、 肺炎、 発疹 (各2.5%)、 下痢、 ALT上昇、 および血小板減少 (各2%) であった。
著者らは 「EGFR exon20ins標的治療の有無に依らずプラチナベースの化学療法による治療歴がある局所進行または転移性のEGFR exon20ins陽性NSCLCにおいて、 zipalertinibはORRが35.2%を示すなど臨床的に意義のある有効性および管理可能な安全性プロファイルを示した。 また、 探索的解析では、 アミバンタマブ投与後におけるzipalertinibの有効性を支持する結果となった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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