【JAMA Neurol】DOAC使用中の抗てんかん薬の選択が血栓塞栓リスクに関連
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4日前

【JAMA Neurol】DOAC使用中の抗てんかん薬の選択が血栓塞栓リスクに関連

【JAMA Neurol】DOAC使用中の抗てんかん薬の選択が血栓塞栓リスクに関連
Schubertらは、 直接経口抗凝固薬 (DOAC) と抗てんかん薬を使用中の成人のてんかん患者を対象に、 抗てんかん薬の種類別の血栓塞栓や出血、 全死亡のリスクを標的試験エミュレーションによる後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 ラモトリギンおよびラコサミドと比べてレベチラセタムは血栓塞栓リスクと全死亡リスクの上昇に関連することが示された。 また、 バルプロ酸は全死亡リスクと頭蓋内の重大出血リスクの上昇に関連していた。 研究結果はJAMA Neurol誌に発表された。

📘原著論文

Safety of Antiseizure Medications During Direct Oral Anticoagulant Therapy in Epilepsy. JAMA Neurol. 2026 Aug 17. Online ahead of print. PMID: 42606848

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

165施設を統合した構造化電子カルテ研究であるため、 施設間差、 重要な未測定交絡、 DOACのアドヒアランス・曝露量の欠如、 薬剤構成の偏り、 per-protocolに近い解析による選択バイアス、 ICDコードによるアウトカム誤分類が主な限界となります。

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背景

DOACと抗てんかん薬の併用例は多い

てんかん患者での抗てんかん薬とDOACの併用例は少なくないが、 各種抗てんかん薬の間で安全性を比較したデータは限られている。

本研究は、 DOACが投与されている成人てんかん患者において、 広く使用されている抗てんかん薬の間で血栓塞栓、 重大出血、 全死亡のリスクを比較する目的で実施された。

研究デザイン

てんかん患者9,529例を対象とした標的試験エミュレーションによる後ろ向き研究

本研究は、 世界各国の医療機関165施設からなる匿名化電子カルテの連合型プラットフォームTriNetX Global Collaborative Networkから取得した患者データを用いて、 各抗てんかん薬群について実薬対照を設定した標的試験をエミュレートする後ろ向きコホート研究である*。

*4つのコホートで1:1傾向スコアマッチングを行い無作為化を模倣し、 抗てんかん薬単剤療法を継続した場合のper-protocol転帰を推定している

対象は18歳以上のてんかん患者で、 直近のビタミンK拮抗薬 (VKA) 使用例、 抗てんかん薬以外の強力なCYP3A4/P糖蛋白質調節薬の使用例、 過去1年以内に主要血管イベントの既往がある例は除外された。 追跡は事前に規定した90日時点から開始し、 データは2026年1~3月に解析された。

以下の抗てんかん薬単剤療法について、 ラモトリギンまたはラコサミドの使用患者を統合した参照群 (以下、 ラモトリギン/ラコサミド群) と比較した。

  • レベチラセタム
  • バルプロ酸
  • 中等度の酵素誘導性抗てんかん薬
  • 強力な酵素誘導性抗てんかん薬 (カルバマゼピン、 フェニトインなど)

主要評価項目は血栓塞栓の複合エンドポイント**、 重大出血、 全死亡である。 感度分析ではVKAで治療された患者が対象に組み入れられた。

**血栓塞栓複合エンドポイントの内訳: 虚血性脳卒中、 心筋梗塞、 肺塞栓症または全身性/末梢性塞栓症

結果

てんかん患者229万例のうち9,529例が解析コホートを構成

てんかんを有する18歳以上の成人229万例のうち、 DOACの適格例は4万932例、 6ヵ月以内にDOACと抗てんかん薬の併用があった例は2万6,962例、 単剤療法の適格例は1万209例で、 最終的に9,529例の新規開始例が解析コホートを構成した。

解析コホート9,529例の平均 (SD) 年齢は63 (18) 歳で、 このうち4,869例 (51%) が女性だった。 抗てんかん薬の内訳はレベチラセタムが5,473例 (57%)、 強力な酵素誘導性抗てんかん薬が1,395例 (15%)、 バルプロ酸が1,006例 (11%)、 中等度の酵素誘導性抗てんかん薬が382例 (4%) であった。

レベチラセタムは血栓塞栓リスクと全死亡リスクの上昇に関連

マッチング後の解析では、 ラモトリギン/ラコサミドと比べてレベチラセタムは血栓塞栓リスクの上昇 (HR 1.98, 95%CI 1.37-2.87) と全死亡リスクの上昇 (HR 1.60, 95%CI 1.23-2.08) に関連し、 重大な出血は同程度であることが示された。

強力な酵素誘導性抗てんかん薬は血栓塞栓リスク上昇と出血リスクの低下に関連

強力な酵素誘導性抗てんかん薬は血栓塞栓症リスクの上昇 (HR 1.55, 95%CI 1.02-2.36) と関連していた一方、 重大な出血リスクの低下に関連していた (HR 0.62, 95%CI 0.46-0.83)。

バルプロ酸は全死亡リスクと頭蓋内重大出血リスクの上昇に関連

バルプロ酸は全死亡リスクの上昇 (HR 1.49, 95%CI 1.09-2.04) と頭蓋内の重大出血リスクの上昇 (HR 3.01, 95%CI 1.45-6.26) に関連していた。

ラモトリギン/ラコサミドを参照とした場合、 血栓塞栓性イベントの約28%が潜在的に予防可能と推定された。 一方、 VKAによる治療を受けた成人では血栓塞栓リスクの上昇はほぼ認められなかった。

結論

抗てんかん薬の選択は臨床アウトカムの修正可能な因子である可能性を示唆

著者らは、 「DOACによる治療を受けている成人のてんかん患者では、選択する抗てんかん薬によって血栓塞栓、 出血、 死亡のそれぞれのリスクが異なることが示唆された。 この結果は、 抗てんかん薬の選択が臨床アウトカムに影響し得る修正可能な因子であることを支持している 」と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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