【全医師対象】最前線からのインフルエンザ総まとめ【ついに流行】
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HOKUTO編集部

1年前

【全医師対象】最前線からのインフルエンザ総まとめ【ついに流行】

【全医師対象】最前線からのインフルエンザ総まとめ【ついに流行】
ついに3年ぶりにインフルエンザの流行が始まりました。 コロナの影響で診察経験のない若手の先生も多いかと思います。 改めて基本的なマネジメントを確認しておきましょう。

⏰ 本稿の読了目安は"約5分"です

  1. COVID-19より高熱、関節痛、筋肉痛が強い
  2. 抗インフルエンザ薬の適応と使い分け
  3. 脳症、心筋炎など致死的合併症に注意
  4. ワクチンは重症化予防、 合併症予防に重要
  5. 細菌性肺炎合併に注意!抗菌薬濫用は厳禁

主な病原体

主にみられるもの

  • インフルエンザA/H1N1
  • インフルエンザA/H3N2
  • インフルエンザB (山形/Victoria系統)

その他稀なもの

  • 幼少期に感染するC型
  • 動物に感染するD型
  • 鳥インフルエンザ(H5N1/H7N9)

COVID-19との比較¹⁾²⁾

慣れれば、 症状である程度判別可能

  • 突然発症し、 症状が完全消失するまでおよそ数日から10~14日³⁾と同様である。
  • 発熱、関節・筋肉痛は インフル > COVID-19
  • 咽頭痛は COVID-19 > インフル
  • 味覚異常は、 COVID-19では鼻閉を伴わない場合が多いとされる。
  • ただし混合感染もあるので注意!

COVID-19とインフル、かぜ症候群比較

【全医師対象】最前線からのインフルエンザ総まとめ【ついに流行】

インフルエンザの特徴

潜伏期間⁴⁾

潜伏期間は1~4日がほとんど。

家庭内感染は3~4日間隔が多い。

重症化リスク⁵⁾

2歳以下、 65歳以上、 慢性呼吸器/心/腎/代謝性疾患、 血液疾患、 神経疾患、 免疫不全者、 肥満、 施設入所者、 アメリカ先住民 (インディアン)、 アラスカ先住民、 妊娠 など

合併症⁶⁻⁹⁾

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診断

治療対象になる場合や公衆衛生上または社会的に必要な場合、 検査を考慮する (そうでない場合臨床診断も検討) 。

🔍 抗原検査

Multiplex PCR/FilmArrays®など

※陰性でも否定できない

🔍 臨床診断

家族歴、流行期、咽頭後壁インフルエンザ濾胞

治療法/曝露後予防

基本的には無治療経過観察だが、 以下の場合抗ウイルス薬による治療を積極的に考慮する。

・重症化リスクのある患者
・症状の強い患者
・入院(中の)患者

暴露後予防は重症化リスクのある患者、入院患者で考慮する (詳細はこちらの記事を参照)

抗インフルエンザ薬一覧 (治療/予防)

【全医師対象】最前線からのインフルエンザ総まとめ【ついに流行】
※耐性の問題からシンメトレルが使われることはない

腎機能障害患者への適応

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インフルエンザ治療に用いられる漢方薬

軽症患者に対症療法的に投与を考慮する。

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細菌性肺炎合併時のエンピリック治療

抗菌薬の濫用は厳禁!細菌性肺炎を合併した時のみ抗菌薬を投与する。
  • 投与前に喀痰培養の提出は必須。
  • 肺炎球菌、 ブドウ球菌、 インフルエンザ桿菌などカバーのため、 セフトリアキソンなど第3世代セフェムの使用を検討する。
  • 緑膿菌の関与が疑われる病態 (重症COPD、 高度間質性肺炎、 肺がんなど) ではピペラシリン・タゾバクタムなど緑膿菌活性のある広域抗菌薬の投与を検討する。

重症例への対応

抗ウイルス薬の投与

経口摂取不能の場合、 発症早期であればペラミビルを検討。

抗菌薬の投与

細菌性肺炎の合併が疑われる場合、 喀痰培養提出のうえ、 点滴第3世代セフェム (セフトリアキソンetc) など検討

インフルエンザ脳症に対して

高容量オセルタミビル、 発症早期ステロイドパルス療法血漿交換ガンマグロブリンの有効性が一部報告されているが強固なエビデンスはない¹¹⁾¹²⁾。

感染対策

患者の対応

飛沫感染+接触感染対策を、 発症後丸5日を経過し、 かつ解熱後丸2日を経過するまで継続 (学校では学校保健安全法第19条に基づき、 出席停止となる)。

医療機関での対応

院内では個室管理が難しければ、 カーテン隔離も許容されうる。 なお、 医療機関によっては独自の院内ルールがあり、 それに従う。

ワクチンの効果¹³⁾

1年に1回接種(13歳未満は2回)
  • 発症防止に対するワクチン有効率は60%
  • 成人のインフルエンザによる入院を40%、 ICU入室を80%減少させる
  • 小児のインフルエンザによるICU入室を70%減少させ、 重症化を75%減少させる
  • 妊婦のインフルエンザによる入院を40%減少させる
  • その他心血管イベント、 COPD増悪を減少させる

引用文献

  1. The flu versus COVID-19: Why it’s important to know the difference in 2022! (https://www.healthdirect.gov.au/blog/the-flu-versus-covid-19)
  2. COVID-19, cold, allergies and the flu: What are the differences? (https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/coronavirus/in-depth/covid-19-cold-flu-and-allergies-differences/art-20503981)
  3. Influenza. Ann Intern Med. 2021 Nov;174(11):ITC161-ITC176.PMID: 34748378
  4. Comparative epidemiology of pandemic and seasonal influenza A in households. N Engl J Med. 2010 Jun 10;362(23):2175-2184. PMID: 20558368
  5. サンフォード感染症治療ガイド 2022(第52版)
  6. Epidemiology, microbiology, and treatment considerations for bacterial pneumonia complicating influenza.Int J Infect Dis. 2012 May;16(5):e321-31.PMID: 22387143
  7. Characteristics and Outcomes of Influenza-Associated Encephalopathy Cases Among Children and Adults in Japan, 2010-2015. Clin Infect Dis. 2018 Jun 1;66(12):1831-1837.PMID: 29293894
  8. Investigation of the temporal association of Guillain-Barre syndrome with influenza vaccine and influenzalike illness using the United Kingdom General Practice Research Database. Am J Epidemiol. 2009 Feb 1;169(3):382-8. PMID: 19033158
  9. Acute Myocardial Infarction after Laboratory-Confirmed Influenza Infection.N Engl J Med. 2018 Jan 25;378(4):345-353.PMID: 29365305
  10. The use of maoto (Ma-Huang-Tang), a traditional Japanese Kampo medicine, to alleviate flu symptoms: a systematic review and meta-analysis. BMC Complement Altern Med. 2019 Mar 18;19(1):68.PMID: 30885188
  11. H1N1 encephalitis with malignant edema and review of neurologic complications from influenza.Neurocrit Care. 2010 Dec;13(3):396-406.PMID: 20811962
  12. Outcome of acute necrotizing encephalopathy in relation to treatment with corticosteroids and gammaglobulin.Brain Dev. 2009 Mar;31(3):221-7.PMID: 18456443
  13. CDC. Vaccine Effectiveness: How Well Do Flu Vaccines Work? (https://www.cdc.gov/flu/vaccines-work/vaccineeffect.htm) [最終確認 2022/12/24]
こちらの記事の監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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