海外ジャーナルクラブ
1年前
Jalavaらは、 単純性急性虫垂炎患者を対象に、 術前待機8時間以内と24時間以内における虫垂切除術の虫垂穿孔率を非盲検多施設共同非劣性無作為化試験PERFECTで検討した。 その結果、 24時間以内の手術は、 8時間以内の手術と比較して、 虫垂穿孔のリスクを増加させないことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。
成人虫垂炎スコア (AAS)16点以上は画像なしで急性虫垂炎と診断されています。 また今回の対象群から、 虫垂外のair, 虫垂外の糞石、 虫垂近傍の液体貯留・膿瘍・炎症、 虫垂造影効果不良は除外されています。
Pediatrics Appendicitis score (PAS)
虫垂切除術は虫垂炎の標準的治療法であるが、 急性合併症のない虫垂炎に対する手術の緊急性に関する国際的なコンセンサスは存在せず、 さまざまな手術時間が推奨されている。
単純性急性虫垂炎患者:1,822例。
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた
手術中に診断された虫垂炎の穿孔率
虫垂穿孔率は両群間で同等であった。
絶対リスク差:0.6%、 95%CI -2.1-3.2、 p=0.68
30日以内の合併症発生率に有意差は見られなかった。
差:-1.0%、 95%CI -3.3~1.3、 p=0.39
追跡期間中に死亡例はなかった。
合併症のない急性虫垂炎患者において、 24時間以内の虫垂切除術は、 8時間以内の手術と比較して虫垂穿孔のリスクを増加させない。 この結果は、 夜間の手術を日中に延期するなど、 手術室の資源配分に活用できる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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