【Lancet】急性虫垂炎、術前待機24時間以内 vs 8時間以内で虫垂穿孔リスク変わらず
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1年前

【Lancet】急性虫垂炎、術前待機24時間以内 vs 8時間以内で虫垂穿孔リスク変わらず

【Lancet】急性虫垂炎、術前待機24時間以内 vs 8時間以内で虫垂穿孔リスク変わらず
Jalavaらは、 単純性急性虫垂炎患者を対象に、 術前待機8時間以内と24時間以内における虫垂切除術の虫垂穿孔率を非盲検多施設共同非劣性無作為化試験PERFECTで検討した。 その結果、 24時間以内の手術は、 8時間以内の手術と比較して、 虫垂穿孔のリスクを増加させないことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。 

📘原著論文

Role of preoperative in-hospital delay on appendiceal perforation while awaiting appendicectomy (PERFECT): a Nordic, pragmatic, open-label, multicentre, non-inferiority, randomised controlled trial. Lancet. 2023 Sep 14:S0140-6736(23)01311-9. PMID: 37717589

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

成人虫垂炎スコア (AAS)16点以上は画像なしで急性虫垂炎と診断されています。 また今回の対象群から、 虫垂外のair, 虫垂外の糞石、 虫垂近傍の液体貯留・膿瘍・炎症、 虫垂造影効果不良は除外されています。

🔢関連コンテンツ

成人虫垂炎スコア (AAS)

急性虫垂炎の診断予測

Alvaradoスコア (MANTRELS)

急性虫垂炎の診断予測

Pediatrics Appendicitis score (PAS)

小児急性虫垂炎の診断予測

背景

虫垂切除術は虫垂炎の標準的治療法であるが、 急性合併症のない虫垂炎に対する手術の緊急性に関する国際的なコンセンサスは存在せず、 さまざまな手術時間が推奨されている。

研究デザイン

対象

単純性急性虫垂炎患者:1,822例。

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた

  • 8時間以内群:8時間以内に予定された虫垂切除術
  • 24時間以内群:24時間以内に予定された虫垂切除術

主要評価項目

手術中に診断された虫垂炎の穿孔率

非劣性マージン:5%ポイント

研究結果

虫垂穿孔率

虫垂穿孔率は両群間で同等であった。

  • 8時間以内群:8%
  • 24時間以内群:9%
絶対リスク差:0.6%、 95%CI -2.1-3.2、 p=0.68

30日以内の合併症発生率

30日以内の合併症発生率に有意差は見られなかった。

  • 8時間以内群:7%
  • 24時間以内群:6%
差:-1.0%、 95%CI -3.3~1.3、 p=0.39

追跡期間中の死亡

追跡期間中に死亡例はなかった。

結果の解釈

合併症のない急性虫垂炎患者において、 24時間以内の虫垂切除術は、 8時間以内の手術と比較して虫垂穿孔のリスクを増加させない。 この結果は、 夜間の手術を日中に延期するなど、 手術室の資源配分に活用できる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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