ASCO2026現地レポートとJSMO専攻医・若手キャリアWGが目指す未来
著者

日本臨床腫瘍学会

1ヶ月前

ASCO2026現地レポートとJSMO専攻医・若手キャリアWGが目指す未来

ASCO2026現地レポートとJSMO専攻医・若手キャリアWGが目指す未来
米国臨床腫瘍学会 (ASCO) は、 最新の研究知見に触れられる場であると同時に、 若手医師のキャリア形成を後押しする重要なプラットフォームでもあります。 日本臨床腫瘍学会 (JSMO) でも今年 (2026年)、 キャリアエンパワーメント委員会のもとに 「専攻医・若手キャリアワーキンググループ (WG)」 が新たに立ち上げられました。 本稿では、 本WGの委員である藤原裕先生に、 ASCO 2026の現地取材をもとに、 若手キャリアサポートの現状やWG設立の背景、 今後の展望についてご寄稿いただきました。

執筆者

ASCO2026現地レポートとJSMO専攻医・若手キャリアWGが目指す未来
慶應義塾大学医学部卒業。 同病院初期研修、 武蔵野赤十字病院後期研修、 がん研有明病院勤務を経て、 2020年に渡米。 マウントサイナイ・ベスイスラエル病院で内科レジデンシー、 ロズウェルパークがんセンターで血液・腫瘍内科フェローシップを修了。 2026年秋より、 ウィスコンシン医科大学がんセンターに着任し、 固形腫瘍対象の早期臨床試験やがん個別化医療の臨床・研究をリードする。 若手へのキャリア支援にも注力。 がん薬物療法専門医、 米国腫瘍内科専門医。

はじめに

米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 2026に現地参加し、 最新の知見と熱気に触れてまいりました。 今年は、 進行性・転移性膵がんに対するKRAS (ON) 阻害薬のdaraxonrasibの話題で持ち切りでした。 私は現在米国に在住していることもあり例年ASCOに足を運んでおります。 その中で、 ASCOは単なる研究発表の場にとどまらず、 若手医師にとってキャリアを大きく前進させる重要な場であることを強く実感しています。

本稿では、 若手のキャリア形成にASCOがどう貢献しているか、 また日本臨床腫瘍学会 (JSMO) においてどのように若手医師のキャリア支援を計画しているかをお伝えします。

ASCOによる若手キャリアサポート

ASCOのキャリアサポートの観点において特筆すべきは、 「Trainee & Early Career Advisory Group」 が企画運営するラウンジの存在です。 学生や内科研修医、 血液・腫瘍内科フェロー、 若手腫瘍内科医を対象に、 血液・腫瘍内科フェローシップ (専攻医後半に相当) やスタッフポジションへの応募に関する助言、 多様なキャリアパスの紹介、 研究費応募へのアドバイス、 ワークライフバランスの議論など、 多岐にわたるセッションが連日行われています。 また、 事前登録制による1枠30分ほどの1対1のメンターセッションも提供されており、 より個別具体的なキャリア相談を行うことが可能です。

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ASCO会期中に用意されるTrainee & Early Career Advisory Groupラウンジの様子。 フリースペースが用意され、 また奥ではパネルディスカッションやラウンドテーブルでの議論が行われる

そのため、 研修医や専攻医相当の若手医師でも、 ASCOを 「キャリア形成のプラットフォーム」 として活用することができます。 現地では国境を越えて若手同士が繋がり、 メンターにアドバイスを求める光景を目の当たりにし、 グローバルな腫瘍内科医としてのキャリアを築く上での大きな財産になるのだと感じました。

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1対1のメンターセッションの様子。 今年はメンター側として内科研修医のキャリア相談に応じた

JSMO専攻医・若手キャリアWG設立の背景と展望

以前より、 日本の腫瘍内科専攻医や若手医師から 「所属施設を超えて、 同世代の同僚がどのような活動をしているのかやどうキャリアを築いていくかが分かりにくい」 という声が寄せられていました。 そのような課題意識から、 JSMOキャリアエンパワーメント委員会のもと、 今年新たに 「専攻医・若手キャリアワーキンググループ (WG) 」 が立ち上げられました。 本WGは、 若手自身が主体となり、 同年代のキャリア構築やネットワーク形成を学会としてどのように支援できるかを考え、 実行に移す組織となるよう活動しています。

私個人としては、 JSMOの学会期間中や年間を通して、 ASCOが提供しているようなキャリア支援セッションやメンターシップ制度の導入、 実施を目指しています。 またJSMOの国際化を見据え、 若手世代の国際交流なども促進し、 JSMOのプレゼンス向上に貢献できるよう尽力していく所存です。

若手医師へのメッセージ

日々多忙の診療・研究生活の中で、 所属施設を超えた 「縦・横・斜め」 の若手腫瘍内科医とのつながりは、 キャリア形成における大きな励みになるはずです。 若手WGの活動を通して、 JSMOへの学会参加が若手腫瘍内科医にとって日本国内及び国際的なネットワークを広げキャリアを発展できる機会となるよう、 充実した場を提供することを目指しています。 もし少しでもご興味があれば、 JSMO公式ページより概要及びメンバー募集のページを参照ください。

※非会員の方も、事前にご入会手続きをいただくことでご応募いただけます。

日本臨床腫瘍学会について

がん薬物療法に携わる医師のための学会

日本臨床腫瘍学会 (JSMO) は、 がん薬物療法を専門とする医師・医療者の教育、 研究、 臨床の発展を目的とした学術団体です。

学術集会や教育セミナー、 専門医制度の運営、 ガイドライン・声明の発信などを通じて、 がん診療の質向上に取り組んでいます。

入会手続き・詳細はこちら

JSMOへの入会方法や、 具体的な手続きの流れについては、 HOKUTO内の関連記事でわかりやすく解説しています。

「どこから申請するのか」 「どんな情報が必要なのか」 など、 入会前に気になるポイントを整理した内容になっていますので、 あわせてご覧ください。

>> 日本臨床腫瘍学会の 「入会方法」 について


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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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