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10日前

静岡県立静岡がんセンター胃外科医長の藤谷啓一氏らの研究グループは、 腹腔洗浄細胞診陽性 (CY1) と限局性腹膜転移 (P1a) の両方またはいずれかを伴う胃癌患者を対象に、 初回治療別の治療成績について多施設共同・後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 全生存期間 (OS) は初回胃切除群が初回化学療法群と比べて有意に長く、 5年OS率はそれぞれ27.6%、 19.0%であった。 化学療法先行後に胃切除を行った群の5年OS率は39.9%で、 胃切除後に術後化学療法を施行した群の31.4%と比べて有意に高かった。 研究結果はJAMA Surg誌に発表された。
併存疾患、 患者の治療希望、 身体機能、 栄養状態、 老年医学的評価などの未測定交絡因子が治療選択に影響した可能性があります。
全身化学療法が進歩した現在も、 CY1とP1aの両方またはいずれかを伴う胃癌の最適な治療戦略をめぐっては意見が分かれている。 本研究では、 さまざまな治療戦略の成績を比較し、 最適な戦略を探索した。
本研究は、 JCOG Stomach Cancer Study Groupに所属する48施設による多施設共同・後ろ向きコホート研究である。 対象は、 CY1とP1aの両方またはそのいずれかを伴うが、 その他の遠隔転移はなく、 2016~2022年に治療を受けた胃癌患者1,181例とした。 患者は初回治療に基づき次の2群に分類された。
さらに初回化学療法群は、 術前化学療法の効果に応じて①化学療法単独 (205例)、 ②腹膜転移・腹腔洗浄細胞診ともに陰性 (P0CY0) へと転換後に胃切除を施行 (92例)、 ③P0CY0への転換が得られないまま胃切除を施行 (46例) に分類された。
主要評価項目はOS、 副次評価項目は無増悪生存期間 (PFS) などであった。
全体の5年OS率は25.0% (95%CI 22.3–28.0%)、 生存期間中央値は24.3ヵ月であった。
OSは初回胃切除群が初回化学療法群と比べて有意に長く、 5年OS率は初回胃切除群が27.6%、 初回化学療法群が19.0%であった (HR 0.80, 95%CI 0.69–0.93, p=0.004)。
集学的治療戦略の比較では、 化学療法先行後に胃切除を行った群の5年OS率は39.9% (95%CI 31.7–50.2%) であり、 胃切除後に術後化学療法を行った群の31.4% (同27.6–35.8%) と比べて有意に高かった (p=0.01)。 胃切除単独群と化学療法単独群の5年OS率は、 それぞれ10.3%、 3.2%にとどまった。
化学療法によってP0CY0への転換が得られた後に胃切除を施行した患者では、 5年OS率が50.5%と最も良好であった。 これに対し、 P0CY0への転換が得られないまま胃切除を施行した患者の5年OS率は17.2%にとどまった。
研究グループは、 「CY1とP1aの両方またはいずれかを伴う胃癌では、 化学療法先行後に胃切除を行った群の5年OS率は、 初回胃切除後に術後化学療法を行った群と比べてわずかに高かった。 特にP0CY0への転換後の胃切除は最も良好な生存成績に関連していたことから、 より有効な術前化学療法の開発が求められる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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