海外ジャーナルクラブ
1年前
Simsらは、 早期症候性アルツハイマー病でアミロイドおよびタウ蛋白質沈着の病理所見が認められる患者を対象に、 脳アミロイドプラークを除去するようにデザインされた抗アミロイドβ抗体である「donanemab」の有効性および安全性を国際多施設共同二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相無作為化比較試験TRAILBLAZER-ALZ 2で検討。 その結果、 donanemabはタウ蛋白質の蓄積が低/中の集団および低/中+高集団において、 76週時点の臨床的進行を有意に遅らせた。 本研究はJAMA誌において発表された。
Comment inというEditorialが4つもついている研究報告を初めて見ました。 それだけ反響の大きい研究結果です。 平均4カ月間程度進行を遅らせることができるようで、 長期アウトカムはこれからです。 レカネマブに続いてマーケットにも大きな反響があるようです。
アルツハイマー病に対する有効な治療法は限られている。
早期症候性アルツハイマー病でアミロイドおよびタウ沈着の病理所見が認められる患者 1,736例
患者を以下の群に1:1の割合で割り付け。
ベースラインから76週までの統合アルツハイマー病評価尺度 (iADRS) スコアの変化
76週時点のiADRSスコアの最小二乗平均 (LSM) 変化
低・中タウ集団
低・中+高タウ集団
76週時点のCDR-SBスコアのLSM変化
低・中タウ集団
低・中+高タウ集団
アミロイドに関連した浮腫または滲出液の異常
注入関連反応
治療関連の死亡
早期症候性アルツハイマー病でアミロイドおよびタウ蛋白質沈着の病理所見が認められる患者に対して、 donanemabは低・中タウ集団および低・中+高タウ集団において、 76週時点の臨床的進行を有意に遅らせた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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