海外ジャーナルクラブ
2年前
Reissらは, 進行性膵癌患者を対象に, ニラパリブと免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ)またはPARP阻害薬(イピリムマブ)を併用した維持療法の有効性を検討する非盲検無作為化第Ⅰb/Ⅱ相試験を実施. その結果, ニラパリブ+イピリムマブ群では主要評価項目である6ヶ月無増悪生存期間 (PFS) が達成されたが, ニラパリブ+ニボルマブ群ではPFSが劣っていたことが明らかとなった. 本研究は, Lancet Oncol誌において発表された.
本研究は, 主要評価項目で2つの治療を直接比較するのではなくて, 6カ月PFS 44%を帰無仮説として設定のうえ, それぞれ比較しているようです.
進行性膵臓癌患者に対して, 化学療法抵抗性と累積毒性に対処するために, 生涯にわたる化学療法に代わる治療法を確立することが求められている. PARP阻害薬は免疫チェックポイント阻害薬との併用で相乗的な効果が期待できる可能性がある.
プラチナ製剤感受性の進行性膵臓癌患者.
以下の2群に1対1でランダムに割り付け.
①ニラパリブ+ニボルマブ併用群:46名
②ニラパリブ+イピリムマブ併用群:45名
主要評価項目は, 安全性と6カ月時点のPFS.
追跡期間中央値:23.0カ月
6カ月無増悪生存期間 (PFS)
ニラパリブ+ニボルマブ群:20.6%
ニラパリブ+イピリムマブ群:59.6%
グレード3以上の治療関連有害事象
ニラパリブ+ニボルマブ群で最も多く見られたグレード3以上の有害事象
ニラパリブ+イピリムマブ群で最も多く見られたグレード3以上の有害事象
グレード4以上の有害事象は, ニボルマブ群で多かった. また, 治療関連死はなかった.
ニラパリブ+イピリムマブ併用群は主要評価項目である6カ月PFSが達成されたが, ニラパリブ+ニボルマブ併用群ではPFSが劣っていた. これらの知見は, 進行性膵臓癌患者における非細胞毒性維持療法の可能性を強調するものである.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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