【1分間で学べる】教えられ上手になるための6つの要素
著者

メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

13日前

【1分間で学べる】教えられ上手になるための6つの要素

【1分間で学べる】教えられ上手になるための6つの要素
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。  今回は 「教えられ上手になるための6つの要素」 を解説します。  

「教えられ上手」 な人になろう

Take home message

  • より多くの学びを得るためには、 コミュニケーションが最重要!
  • 教える人に 「また教えたい」 と思ってもらえるよう、 積極的に学ぶ姿勢を心がけよう

皆さんの前に医学生が実習に来て、 研修医のあなたのもとについたとします。 「たくさん教えたい」 と思う医学生には、 どのような要素があるでしょうか。

皆さんも経験があるかもしれませんが、 「教えやすい人」 と 「教えにくい人」 の両方が存在します。 同様に、 教えられる立場でも 「教えられ上手」 と 「教えられ下手」 が存在します。

教えられ上手な人は多くを学び、 どんどん成長しますが、 教えられ下手な人は機会を逃し、 なかなか学びが得られにくい特徴があります。 より多くの学びを得るために、 教えられ上手になるための6つの要素を紹介します。

1. 積極性と好奇心

大前提として、 「積極性を示すこと」 は最も重要です。 積極的に自分の疑問をぶつけるようにしましょう。 教える側も興味を持ってくれる姿勢に喜び、 さらなる知識を提供してくれるかもしれません。

「もっとそこを深く知りたいです」 「〇〇に関してとても興味があります」 「自分で調べてみますので、 明日また議論の時間をいただいてもよいですか?」 など、 好奇心を示すことは重要です。 「次に指導医に会ったら何を質問しようかな」 と、 常に質問を用意をしておくことも心構えの一つです。

2. 明るい表情と反応

教えてもらう際には、 明るい表情と適切なリアクションを心がけましょう。 教える側も人間なので、 スムーズなコミュニケーションのために、 リアクションは重要です。

暗い表情や反応が乏しいと、 教える側は 「聞いているのかな?」 と疑問を抱きます。 明るい挨拶や相槌を交えることで、 教える側のモチベーションが自然と高まり、 積極的に教えたいという気持ちになります。

3. 率直さと素直さ

自分が疑問に思ったことは、 いずれ必ず同じ場面に遭遇します。 分からないことは放置しない、 分かったふりをしないことが重要です。

「聞くは一時の恥、 聞かぬは一生の恥」 という言葉通り、 率直にその場で解決するようにしましょう。 素直に 「分からないです」、 率直に 「教えてください」 と伝えることは、 簡単そうで意外に難しいです。 そして、 上級医に教えてもらったことを、 素直に受け入れる姿勢も大切です。

4. アクティブメモ

教えてもらったことをメモに残すことは、 記憶に残すためだけでなく、 教える側への礼儀でもあります。

メモを取ることで、 教える側に対して 「今教えてもらっている貴重な時間を無駄にしない」 というメッセージにもなります。 教える側は 「この人はしっかり学んでいる」 と感じ、 教えるモチベーションが高まるかもしれません。 裏紙ではなく、 しっかりとしたメモ帳を用意しましょう。

5. 迅速な復習と自主トレーニング

教えてもらったことはすぐに復習し、 他の人にアウトプットすることで記憶を定着させましょう。 教えてもらっただけで満足せずに、 復習を繰り返したり、 実践にいかしたりすることすることで、 確実に自分のものにできるようになります。 この反復トレーニングを繰り返すことが重要です。

6. 報告と感謝

教えてもらった後には、 貴重な時間を割いて教えてもらえたことに対する感謝の気持ちを伝えることを習慣づけましょう。 また、 その後も 「できるようになった」 「知識が役に立った」 などと、 実践での現場で役に立ったことがあれば指導医に報告することも大切です。

教える側としては、 自分の教えが役立っていることを知ると嬉しいものです。 お世辞は不要ですが、 指導医に 「また教えたい」 と思ってもらえるようなきっかけになることがあります。

教えられ上手になるための6つのテクニックについてご紹介しました。 より多くの学びを得るためには、 良好なコミュニケーションが必要不可欠です。 教える人に 「また教えたい」 と思ってもらえるよう、 積極的に学ぶ姿勢を心がけるようにしましょう。 

連載バックナンバー

第1回 : メモを取る4つのメリット

第2回 : 質問をする4つのメリット

第3回 : 習慣化する3つのメリット

第4回 : 習慣化する7つのコツ

第5回 : 時間を守る3つのメリット

第6回 : タスクをこなす時に知りたい4つの領域

第7回 : タスクをこなすための3つのテクニック

第8回 : 医学生と研修医の8つの違い

第9回 : 社会人に必要な3つの基礎力

第10回 : メール送信時の9つのチェックリスト

第11回 : クレーム対応のコツ① 知っておきたい2つのギャップ

第12回 : クレーム対応のコツ② 円滑に進めるための4つのポイント

第13回 : クレーム対応のコツ③ 実践で活用できる4つのフレーズ

第14回 : ケースカンファレンスに参加する際の3つの心得

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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