海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Lara Jrらは、 再発リスクが非常に高い淡明細胞腎細胞癌完全切除後の患者を対象に、 エベロリムスによる術後療法の有効性をプラセボ対照第Ⅲ相試験EVERESTの2次解析で検討した。 その結果、 エベロリムスによる術後療法が無再発生存期間 (RFS) を延長することが示唆された。 本研究は、 Eur Urol誌にて発表された。
「後ろ向き研究なのでexploratory nature とthe potential for biases とchance findingsに注意しましょう」 と、 はっきりと本文に記載があります。
腎細胞癌術後におけるエベロリムスでRFS改善せず : 第Ⅲ相EVEREST
腎摘除術後かつ再発リスクが高い腎細胞癌患者へのエベロリムスの有効性を検討したEVEREST試験では、 エベロリムス投与はプラセボと比較してRFSを延長したものの、統計的有意差には達しなかった。
そこで、 EVEREST試験に登録した患者のうち超高リスクの淡明細胞腎細胞癌患者を対象に2次解析を実施し、 エベロリムスの有効性を再評価した。
EVEREST試験に登録した患者のうち超高リスクの淡明細胞腎細胞癌患者699例を対象とし、以下の群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目はRFSと全生存率 (OS)とした。
- エベロリムス投与群 : 348例
- プラセボ投与群 : 351例
エベロリムス投与群はプラセボ群と比較してRFS・OSともに改善したが、OSは統計的に有意ではなかった。
RFS
HR 0.80 (95%CI 0.65-0.99、 p=0.041)
OS
HR 0.85 (95%CI 0.64-1.14、 p=0.3)
また、有害事象により治療完遂率は低かった。
- エベロリムス投与群 : 47%
- プラセボ投与群 : 64%
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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