【NEJM】複雑性黄色ブドウ球菌菌血症へのceftobiprole、ダプトマイシンに対し非劣性
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】複雑性黄色ブドウ球菌菌血症へのceftobiprole、ダプトマイシンに対し非劣性

【NEJM】複雑性黄色ブドウ球菌菌血症へのceftobiprole、ダプトマイシンに対し非劣性
Hollandらは、 複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の成人患者を対象に、 第5世代セファロスポリン系薬剤ceftobiproleの有効性を第Ⅲ相二重盲検ダブルダミー非劣性試験で検討した。 その結果、 ceftobiproleはダプトマイシンに対し非劣性であることが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Ceftobiprole for Treatment of Complicated Staphylococcus aureus Bacteremia. N Engl J Med. 2023 Sep 27. PMID: 37754204

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

ダブルダミーという手法が珍しいですが、 2剤で投与回数が異なるためその調整のためにダミーの薬剤投与をおこなったようです。


研究デザイン

対象

複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の成人患者:390例

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。

  • ceftobiprole群:ceftobiprole 500mgを8日間は6時間ごと、 その後は8時間ごと静脈内投与した。
  • ダプトマイシン群:ダプトマイシン 6~10mg/ kg体重を24時間ごとに静脈内投与、 必要に応じてアズトレオナムも投与した。

主要評価項目

無作為化70日後の全体的治療成功率

生存、 血液培養陰性化、 症状改善、 新たな黄色ブドウ球菌菌血症関連の合併症の発生なし、 他の効果のある可能性のある抗生物質の投与なしと定義

研究結果

有効性評価

全体的治療成功率

  • ceftobiprole群:69.8% (189例中132例)
  • ダプトマイシン群:68.7% (198例中136例)
補正後群間差:2.0%ポイント、 95%CI -7.1-11.1

主要なサブグループ解析および副次評価項目

主要なサブグループ解析および副次評価項目に関しても両群の結果は一致していた。

死亡率

  • ceftobiprole群:9.0%
  • ダプトマイシン群:9.1%
95%CI -6.2-5.2

菌消失率

  • ceftobiprole群:82.0%
  • ダプトマイシン群:77.3%
95%CI -2.9-13.0

安全性評価

有害事象

  • ceftobiprole群:63.4% (191例中121例)
  • ダプトマイシン群:59.1% (198例中117例)

重篤な有害事象の発現

  • ceftobiprole群:18.8% (191例中36例)
  • ダプトマイシン群:22.7% (198例中45例)

消化器系の有害事象 (主に軽度の悪心)の発現はceftobiprole群でより頻度が高かった。

結論

複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の治療においてceftobiproleはダプトマイシンに対し、 全体的治療成功率に関して非劣性であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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