海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Wuらは敗血症患者を対象に、 免疫調整薬thymosin α1が28日目の全死因死亡率を減少させるかどうかを検討することを目的に、 多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照第Ⅲ相試験 (TESTS) を実施した。 その結果、 thymosin α1が28日目の全死因死亡率を有意に改善するエビデンスは得られなかった。 本研究はBMJ誌にて発表された。
「60歳以上で効果の可能性あり、 60歳未満ではプラセボ効果あり」 という結果から、 高齢患者に対して効果がある可能性が残されました。
敗血症による免疫抑制に対して、 免疫調節療法が新たな治療選択肢となる可能性が注目されている。
本研究は、 免疫調整薬thymosin α1の敗血症に対する有効性と安全性を検討することを目的に行われた。
多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照第Ⅲ相試験が実施された。 対象は、 Sepsis-3*に基づいて診断された18~85歳の成人患者1,106例であった。
患者は、 thymosin α1を12時間ごとに7日間投与するthymosin α1皮下注射群とプラセボ投与群に無作為に割り付けられた。 なお、 無作為化には、 年齢 (60歳未満と60歳以上) と施設による層別無作為化が用いられた。
主要評価項目は無作為化後28日目の全死因死亡率であった。 解析は、 試験薬を少なくとも1回投与された参加者に対して行われた。
解析に含まれたのは1,089例 (thymosin α1群542例、 プラセボ群547例) であった。 28日目の全死因死亡率は、 thymosin α1群とプラセボ群で有意差は認められなかった (p=0.93)。
28日目の全死因死亡率
HR 0.99 (95%CI 0.77-1.27)
また、 安全性およびその他の評価項目において、 両群間に有意差はなかった。 サブグループ解析では、 年齢や糖尿病の有無により効果が異なる可能性が示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。