【NEJM】初のKRAS G12D標的蛋白質分解誘導薬、NSCLC/膵癌で奏効
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海外ジャーナルクラブ

3日前

【NEJM】初のKRAS G12D標的蛋白質分解誘導薬、NSCLC/膵癌で奏効

【NEJM】初のKRAS G12D標的蛋白質分解誘導薬、NSCLC/膵癌で奏効
Parkらは、 KRAS G12Dを標的とする初の蛋白質分解誘導薬setidegrasibの安全性および抗腫瘍活性を検証する第Ⅰ相試験を実施した。 本研究では、 前治療歴のあるKRAS G12D変異陽性の非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者および膵管腺癌患者にsetidegrasibを週1回静脈内投与した。 その結果、 第Ⅱ相試験用量には600mgが選択され、 この用量ではグレード3以上の有害事象が42%に発現し、 治療関連有害事象としては輸注関連反応が80%、 悪心が30%に発現したが、 治療中止は2例に留まった。 NSCLCで36%の部分奏効、 膵管腺癌で24%の奏効が認められた。 試験結果はNEJM誌に発表された。 

📘原著論文

Setidegrasib in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer and Pancreatic Cancer. N Engl J Med. 2026 Mar 25. Online ahead of print. PMID: 41879829

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

追跡期間は癌種によって異なり、 NSCLCでは膵癌よりも短くなっています (9.7ヵ月 vs 15.2ヵ月)。 加えてバイオマーカー解析は探索的であり、 KRAS G12D分解に対する反応予測因子は未確立です。

背景

setidegrasibは初のKRAS G12D標的薬

KRAS G12D変異は、 NSCLC患者の5%に認められ、 膵管腺癌では最も一般的な置換変異であり、 患者の40%に認められる。 しかし、 この変異を標的とした承認済み治療は現時点で存在しない。 Setidegrasib (ASP3082) は、 KRAS G12Dを標的とする初の蛋白質分解誘導薬である。

研究デザイン

安全性・薬理および抗腫瘍活性を評価

本第Ⅰ相試験では、 KRAS G12D変異を有する前治療歴のある進行固形腫瘍患者を対象として、 setidegrasibの安全性、 薬物動態、 薬力学、 抗腫瘍活性を評価した。

主要目的は、 用量制限毒性および有害事象による安全性プロファイルの評価、 ならびに第Ⅱ相試験用量の決定であり、 setidegrasib 10~800mgを週1回静脈内投与した。

結果

第Ⅱ相試験用量600mgでグレード3以上のAEが42%に発現

203例が登録され、 76例が第Ⅱ相試験用量に選択された600mg投与を受けた。

600mg投与患者では、 グレード3以上の有害事象は42%に認められたが、 有害事象により治療中止に至った患者は2例のみであった。

600mg投与患者での有害事象

  • 有害事象 : 全例発現
  • グレード3以上の有害事象 : 42%
  • 治療関連有害事象 : 93% (一過性の輸注関連反応[80%]および悪心[30%]が高頻度)
  • 有害事象による治療中止 : 2例

NSCLCで部分奏効36%、 膵管腺癌で奏効24%

600mg投与患者では、 NSCLC患者の36%で部分奏効、 2次/3次治療の転移性膵管腺癌患者の24%で奏効が得られた。

NSCLC患者45例

  • 部分奏効 : 36% (95%CI 22-51)
  • 無増悪生存期間中央値 : 8.3ヵ月 (95%CI 4.1-推定不能)
  • 12ヵ月全生存率推定値 : 59% (95%CI 40-74)

転移性膵管腺癌患者21例

  • 奏効 : 24% (95%CI 8-47)
  • 無増悪生存期間中央値 : 3.0ヵ月 (95%CI 1.4-6.9)
  • 全生存期間中央値 : 10.3ヵ月 (95%CI 4.2-13.0)

結論

有害事象による治療中止は低率であり、 抗腫瘍活性を示す

著者らは、 「setidegrasibは、 前治療歴のあるKRAS G12D変異陽性の進行NSCLC/膵管腺癌患者において抗腫瘍活性を示し、 有害事象による治療中止率は低かった」 と報告している。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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